アプリケーションの、サーバ上への展開をやってくれるDistelliが今日(米国時間1/20)、シリーズAで280万ドルを調達したことを発表した。
Andreessen Horowitzがこのラウンドを仕切り、パートナーでIronPortのファウンダでもあるScott WeissがDistelliの取締役会に加わる。これまで自己資本のみで、シードを外部に依存していない同社にとっては、これが初めての資金調達だ。
DistelliのサービスはSaaSとしてクラウドから提供され、どこにあるサーバに対しても、そこへの展開を代行してくれる。サーバは、AWSやRackspace、Google Compute Engineなどのクラウドや、データセンターなど、どこにあってもよい。CEOでファウンダのRahul Singhはジョーク混じりに、Costcoで買ってデスクの下に置いたサーバでもいいよ、と言っている。ユーザの部屋の机の下にあるなんてことは、Distelliにはわからないし無関係だ。
このサービスは、指定されたサーバに小さなエージェントを送り込んで、展開の仕事をさせる。そのエージェントが動き出すと、Distelliがユーザに提供するダッシュボードからサーバのアクティビティをモニタできる。
SinghはAmazonの四人目の技術者社員で、9年間Amazon Web Servicesで大きなプロジェクトの展開を担当したから、いろんな問題解決の経験も豊富だ。彼曰く、コードを書きアプリケーションを構築するためのツールには良いものがあるが、展開に関してはまだまだだ。というわけで彼はDistelliを創業した。
彼は、Herokuは良い選択だが、良いのはあくまでもHerokuのサーバを使う場合のみだ、と言う。そうでないときは、ChefやPuppetのようなツールを使わなければならないし、展開スクリプトを書くのに貴重な時間を取られてしまう。開発過程が、その段階で超鈍足になってしまう。彼は、展開を代行するサードパーティサービスがぜひ必要だ、と考えた。
アプリケーションの展開とローンチをDistelliのエージェントがやってくれるから、開発チームは本来の仕事、良いコードを書くことに専念できる。サーバがクラッシュしたときのリスタートもエージェントがやるから、その点も楽だ。人間が従来手作業でやっていたことを、これからはソフトウェアがやってくれるのだ。
同社は2013年の3月にローンチし、社員はSinghを含めて6名と少ない。今、有料のユーザは15名/社である。それでも毎日が猛烈に忙しいから、去年の秋に完了した資金調達を今ごろやっと発表しているのだ。
Singhによると、今年は顧客獲得に注力したいので、安いのからお高いのまで段階的な料金プランにしたい、という。これまでは、サーバ1台あたりなんぼ、というシンプルな課金だったが、今後は、デベロッパ個人向けの無料プラン、中小企業向け、大企業向けという形にしたいそうだ。
そして同社の長期的な目標は、DevOpsたちのための総合的な、ワンストップのインフラ管理ダッシュボードを提供すること。それは、ハードがどこにあっても対応できる形にしたい。いわば今同社は、その中の‘アプリケーションの展開’の部分を、まず提供しているわけだ。
Singh曰く、“1年あまりやってきて痛感するのは、展開を負担に感じているデベロッパがとても多いことだ。彼らの得意なのはあくまでも、アプリケーションを設計してそのコードを書くことだから、展開は彼らにとって面倒な雑務にすぎない。その雑務を、楽に簡単にできるようにしたのが、うちのサービスだ”。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))