Amazonは、EchoとAlexaを搭載したデバイスのオーナーが、仮想アシスタントの機能を拡張する音声アプリケーションを見つけやすくなるようにしようとしている。同社は最近、特定の質問に答えるための第三者のスキル(アプリのこと)を、Alexaに提案させる新機能の提供を始めた。言い換えれば、Alexaが扱えない質問をした場合に、そのタスクを実行できる別のスキルを提案してくるということだ。
Alexaがサードパーティーのスキルを推薦する機能は、最初Voicebot.aiによって発見された。これまでAlexaは答えることができない質問を投げかけられた際には、単に彼女は力になれないと答えるだけだった。
例えば、Alexaはしばしば以下のような応答を返す「ええと、わかりません」、あるいは後でまた聞いてくれと答えるかも知れない。
もしユーザーの必要なスキルを見つけたい場合には、ウェブ上のAlexaスキルストアや、Alexaコンパニオンアプリの中をブラウズする必要がある。
しかし、それが変わろうとしている。最近バーチャルアシスタント(Alexa)は、プラットフォーム用に書かれた音声アプリケーションたちができることを知るようになり、もしユーザーの質問に答えることができそうなものがある場合にはそれを提案してくる。
Amazonはこのスキル推薦機能が新しいものであることを認めたが、サポートスキルとしても、またAlexaの顧客ベースに対しても、まだ広くは展開していない。
Amazonの広報担当者はTechCrunchに対して「現在は、限られたシナリオの中で、Alexaは役に立つかもしれないスキルを使って特定の質問に応答します」と語った。「私たちは、この機能が時間が経つにつれてより多くのお客様に届き、新しいスキルを見つけやすくなって、Alexaを通した情報を得ることをお手伝いできることにワクワクしています」。
Voicebotが、この新しい機能に気が付いたのは、Alexaに株価に関する質問をした時だった。この新機能が登場する前は、質問に対する応答を得るためには、Alexaにその種の情報に答えるサードパーティー製のスキルを開くように依頼する必要があった。しかし現在、Alexaが答を知らない質問を受けると、彼女はこう答える「わかりません。おそらくOpening BellのStock Pricesスキルが役に立つかも知れません。試してみますか?」
また別のケースでは、彼女は別のボイスアプリであるFifty-Two Week Lowを詳しい株価情報のために推薦してきた(上のビデオを参照)。
この動作はスキル発見に関するAlexaの利便性を、Google Assistantを通したGoogle Homeと同程度のものに引き上げる。Google Homeのウェブサイトでの説明によれば、もしGoogle Homeの開発者たちが、アプリが扱えるアクションについて事前にGoogleに登録しておけば、そのアプリはユーザーの質問に対して関連するものとして提供されるということだ。
私たちはAmazonの処理がどのように異なっているのかを判断しようとしているが、スキルの提供するアクションに関しての、似通った理解方法は利用しているのだろうと想像される。
関連スキルを提案する方向への動きは、既に支配的なスマートスピーカープラットフォーム上での音声アプリケーションの利用を促進することになる。
現在Amazonはスマートスピーカーの競争で、はるかに先行している。調査会社eMarketerの予測では、Alexaは今年、音声制御スピーカー市場の70%を占有するものと思われている。その後出されたEdison Researchの別の調査によれば、Amazon EchoとAlexaデバイスがスマートスピーカー市場の82%を占めるのに対し、Google Homeはわずか18%に留まるだろうと予想されている。
Alexaは既にライバルたちに比べて、使えるスキルの数が遥かに多くなって来ている ―― 実際には、今年7月現在でその数は1万5000以上を数える。しかし、それらの多くは、ユーザーたちがその存在を知らないために、あるいは品質が劣っているために、使われていない。一方、Alexaのこれまでの最大のユースケースは、音楽、ラジオ、そしてニュースを聴くといったもの、タイマーを設定すること、またはスマートホームデバイスを制御するといったものだった。
しかし、Alexaの開発者コミュニティが発展し続けるためには、音声アプリケーションが発見可能である必要があり、開発者たちがそれらをビジネスとして上手く回せるようになる必要がある。そのために、Amazonは人気のスキルに対しては、開発者に報酬を支払うことを開始したが、最終的にはそうした直接的な現金支払を越えて、長期的マネタイズ戦略が必要とされるだろう。
スキル提案のニュースと並んで、Amazonはまた、新しい開発者ツールも発表した ―― Alexa Skill Management API (SMAPI)とAlexa Skills Kit Command-line Interface (ASK CLI)だ ―― これらはコマンドラインインターフェイスを使うことに慣れた開発者たちに、Alexaスキルの管理をより簡単にしてくれるものだ。
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(翻訳:Sako)