企業がモバイルやそのほかのデバイスを管理するためのサービスやソフトウェアはいろいろあるが、しかし、社員や顧客一人一人のエンドユーザ体験までコントロールできるものは少ない。
また企業向けのモバイルアプリやタブレットアプリは、単純に、たくさんあるアプリの一つとして、デバイスのエンドユーザが自由に立ち上げたり終わったりできるものが多い。でも、レストランがそんなアプリを導入していたとすると、注文が店内のお客からでなく、どこかの学校の先生が子どもたちの関心を引くためにやったいたずらだった、なんてこともありえる。そういう管理不能性は、一般的なアプリの宿命だ。
Anfactoは、元Googleの技術者だった人と、Motorolaが昔買収した3LMの人たちが作ったスタートアップで、Android OSのカスタムバージョンを作ることによって、仕事場や店内やカンファレンスや教室など、目的が限定された場所で使う単機能のデバイスを提供する。言い換えると、一般市販の安価なAndroidデバイスが、一つの目的に限定された専用端末になる。
“それは、アプリケーションのレベルではできないコントロールだ”、とCEOのHristo Bojinovは言う。
Anfactoの変種AndroidはFleetOSと呼ばれ、たとえばUPSのような宅配企業が使うと、たとえばドライバーたちの持つAndroidタブレットが荷物をスキャンするためだけの、専用機になる。
“つまり、ユーザから見ると、‘それしかできない’マシンになってしまう”、とBojinovは説明する。“採用した企業はまず最初に、どんなアプリケーションを動かすか、どの機能を生かしておくか、を決めるのだ”。
彼によると、たとえばカンファレンスの会場では主催者が来場者にアプリをプレロードしたタブレットを配り、案内情報などを提供する。またTaskRabbitやUberのような企業なら、作業員や運転手を管理することだけを目的とするスマートフォンを契約企業に配っておける。あるいは、FleetOSをハードウェアメーカーが採用したら、子ども向けアプリだけを載せたタブレットを作れるだろう。
同社はすでに、数社との契約により利益が出ており、またDoCoMo Capitalから戦略的投資を獲得している。昔のWindows PC時代からある高価なレガシーのソリューションを、FleetOSは置換していくだろう、と彼らは期待している。
Bojinovによると、Androidタブレットやスマートフォンの専用機化は、それを望むハードウェアメーカーがとても多い。だから、FleetOSを思いついたのだ、という。同社が提供するソリューションは、まずポリシーサーバというものがあって、そこでITアドミンが彼らのデバイスでは何ができる/できないを決める。また壁紙などのグラフィカルな要素も、ユーザがカスタマイズできる。
現在、同社のチームは12名で、多くがパロアルトにいる。近く、Bojinovの故郷であるブルガリアにも事務所を開く予定だ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))