5年近く前に「触覚フィードバック」が携帯電話のバズワードになった時、多くの人がスマートフォンのガラス面から浮き出たキーボードを指で押すところを想像した。実際にわれわれが手にしたのは、ソフトウェアキーにタッチした時、何かしら微かに振動するデバイスだった。しかし今日(米国時間2/10)Appleが申請した特許(AppleInsiderが発見した)は、そんな未熟なデザインを改善しようとしている。
触覚フィードバックの精度を高めるために、Appleの特許申請済みシステムは、振動フィードバックに最低2つの作動装置を用いる。一台がパルスを送りだし、もう一台が特定の位置に2番目の振動を作り出して位置を特定できるようにする。こうすることによって、マルチタッチデバイスで、画面上のどのバーチャルボタンに対しても位置付きフィードバックを返すことができる。これは、通常ホームボタンの下などの決められた位置に置かれた数個の作動装置による方式とは異なる。
触覚フィードバックは、主要Android機のほぼ全機種が採用しているにもかかわらず、Appleは未だに使っていない。実際、多くの消費者にとって、キーに対する触覚レスポンスはAndroid特有の機能だと思われているだろう。しかしAppleの方式は、あたかも振動が特定のキー位置から来ているかのような反応を返すことが可能だ。つまり理論上、どの既存システムよりも、上に書いたSF的「触覚フィードバック」の理解に近い。
本特許は、Appleが2009年の申請以来数多く保有している触覚フィードバックの特許に続くものだ。同社はこのテクノロジーを自社デバイスで実際に使うことに関して、未だに控え目な態度を続けているが、恐らくそれにはもっともな理由がある。バッテリー消費の問題に加え、現行の実装は雑で、体験全体の価値を大して高めない。しかし、Appleがライバルより「遅く」導入した他の機能と同じように、ひとたびAppleがユーザー体験に役立つことを保証できれば、今後のiPhoneやiPadでこの機能が使われるのを見ることになるだろう。
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(翻訳:Nob Takahashi)