本日流れてきたニュースによると、Macの売上げが前年比21%ダウンとなっているようだ。四半期比較で言っても16%落ちている。2013年Q1の販売台数は410万台ということで、これはなかなかの数字だと思う。しかしそれでも昨年からくらべてかなりの減少ということになっているわけだ。投資家がこれに直ちに反応したことはご存知の通りだ。
最近のMacシリーズが抱える問題といえば、レティナ(MacBook Pro等)とそれ以外に製品ラインが分裂していることではなかろうか。新しいMac Proの様子を見てから出ないとデスクトップは買わないと考えている人も多いし、またレティナ好きの人たちは「iMacを使う意味はなんだろう」などと考えこんでしまっている。レティナ版13インチMacBook Proの登場により、ノートタイプを考えている人には選択肢がある。しかしAirの解像度は以前のままだ。いずれも良いマシンばかりなのだが、消費者は「もっと良いものが出るのではないか」と悩んでしまってもいるようだ。
簡単に言って、現在のMacシリーズは2つに分かれているのだ。綺麗な画面のノート型と、そして拡張性はあるが低解像度のデスクトップ型だ。どちらを選ぶのかはなかなか難しい問題で、そして消費者は購入を躊躇うことになる。
ちなみに、販売台数低下にWindows 8が関係しているという意見には反対だ。確かにWindows 8には面白い面もありそうだ。しかしIT関係者も一般消費者も、それほど大きな関心はないように見える。これからWindows 8搭載PCの価格がこなれてきてから、ようやく購入を考える人が出てくるといった具合だと思う。
Macの販売台数低迷を、何か他のデバイスのせいにするということであれば、それはApple自らのタブレットということになるだろう。ノートパソコンではなくタブレットで十分と考える人も増えているようだ。時代が「ポスト・デスクトップ」であることは間違いないのだろう。しかしタブレットで、デスクトップの売上減を支えきるというのは難しいことだ。Appleは人気のタブレットデバイスを作ることで、むしろ自らのクビを締めているという面もある。
株価というのは、さまざまな要因で変動するものだ。ただ、今回の場合はMacの売上台数についての話が大きな影響を与えたのだろう。少なくともApple的標準からすれば「絶好調」とは言い難いのは事実だ。シンプルな対策を考えるのならば、Macシリーズの整理を行なって、消費者の悩みや疑念を消し去ることではないだろうか。
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(翻訳:Maeda, H)