ようやくAppleは、Apple Musicの成功に向けて資金を投じ始めた。歌手のファレル・ウィリアムスは今日、最新シングル“Freedom”をApple Musicでスタート日の6月30日から独占公開すると発表した。
ファレルはTwitterとFacebookで、ティーザーの静止画と15秒間の歌プレビューを公開した。これはApple MusicがConnect機能によってユーザーがコンテンツを簡単に広める方法を提供し、収益化につなげようとしているしくみだ。
ファレルが彼のシングルを、その「ハッピー」ハートの親切心からAppleに渡していないことはまず間違いない。楽曲の独占は高くつく。少なくともそのアーティストが稼ぐための保証付プロモーションだ。Bloomberg Businessweekは、Appleが何十人ものトップアーティストと独占交渉していると4月に報じたが、WWDCでApple Musicが発表された際には何の言及もなかった。独占コンテンツがAppleの戦略の一部であることは、これではっきりした。
Apple Musicには、Spotifyを始めとする類似の品揃えと機能を同等の価格帯で提供するライバルたちと差別化するためのコンテンツが必要だった。第一に、大きな抜けは許されない。3ヵ月間の無料トライアル期間中に印税を払わない同社の方針は、Beggars Group率いるインディーズバンドらのボイコットや、テイラー・スウィフトによる公の辱めを呼び起こしだ。その後Appleは引きさがり、無料トライアル中も印税を支払うと表明した。Billboardは、この決定によってインディーレーベル団体のBeggars GroupとMerlin MusicがApple Musicとの契約に応じることを納得したと報じている。
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適切に選ばれた独占コンテンツは、Apple Musicの3ヵ月間無料トライアルにユーザーを呼び寄せるだろう。もしキャンセルしなければ、彼らは自動的に有料購読者になる。Jay-Zのストリーミングサービス、Tidalは、独占コンテンツをちらつかせてユーザーを集めようとしたが、同アプリのみで公開される決定的な曲はごくわずかしかなかった。
Appleと手を結ぶことはアーティストにとっても理にかなっている。ファエルはApple Musicの「New」と「For You」セクションで山ほど宣伝され、ラジオサービスのBeatsOneで演奏されることは間違いない。
それは、長期的にも実入りのよい話だ。アーティストは、Apple Musicでのフォローを、印税の低いストリームだけでなく、ファンを直接購入に結びつける強力なチャンネルとして期待している。もしファレルが “Freesom” の独占公開によってApple Musicで大量のフォローを得られれば、そのファンたちにはニューアルバムが公開されれば紹介され、ファレルのグッズやコンサートチケット等アーティスト本当に稼げる商品を見せることもできるかもしれない。
今の問題は、Appleがいくら払うか、いや、6月30日のスタート時点であと何人のアーティストを独占できるかだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)