昨日、ついにApple Watchが発表された。詳細はこちらの記事にまとめてあるので、ぜひご覧頂きたい。発表以前から大いに話題になっているわけだが、価格が公にされから、デバイスの老朽化について心配する声も聞こえ始めている。
Apple Watchの価格は、SPORT版が42,800円からで、EDITIONの最も高額なモデルは218万円となっている。最高級モデルは18Kゴールドのボディとなっている。外見はもちろん立派なものだが、他のモバイルデバイスと同様に、2年ほどで老朽化してしまうようならば価格はあまりに高額であるとも言えよう。
ただ、少なくともバッテリーについては老朽化の心配をする必要はないようだ。Appleのスポークスマンによれば「バッテリーは交換可能」であるとのこと。Appleに送ってバッテリーを交換してもらうのにいくらかかるのかはわからない。しかし、ともかく劣化したバッテリーは交換できることになっているようだ(バッテリーは3年ほどで劣化する)。
問題はバッテリーだけでなく、たとえばプロセッサーの処理能力に不満を感じるようになることも考えられる。今のところCPUやRAMなどをアップグレードできるのかどうかについては不明だ。Appleに問い合わせてみたのだが、少なくとも本稿執筆時点で返事はもらえていない。詳細がわかりしだいお伝えすることにしたい(高額なモデルも用意されているわけで、そうしたモデルを購入した人に対してのみアップグレードを可能にするということもありそうに思える)。
ただ、プロセッサーのアップグレードが可能になるとすると、バッテリーの持ち時間がさらに深刻な問題として浮上してくることにもなる。Apple Watchのような小型デバイスにあっては、処理能力面の制約により消費電力を抑えている面があるからだ。Appleの提案するユースケースを見ても、無駄な端末操作を減らし、重要な通知に対してのみ応答するようにすることを目的としているように感じられる。
そもそもApple Watchは、定期的に新しいモデルに買い替えられることの多いiPhoneという高性能コンピューターの存在を前提としているといってもよく、Apple Watch側のCPUやRAMのアップグレードはあまり考慮していないという可能性もある。
そうした中、さまざまなセンサーを活用することになるフィットネス用のモデルこそが、もっともアップグレードを望まれることになるのかもしれない。SPORTモデルの価格が最も低いのは、買い替えの必要を考えてのことという可能性もあるだろう。200万円のモデルをスポーツ用途に使う人も少ないはずで、アップグレードの必要性はあまりないのかもしれない。
ただし、将来のアップグレードの話はともかく、バッテリーの持続時間が、Apple Watchにとっての大きな「問題点」となる可能性は高い。Appleによれば、さまざまな機能を利用しつつも、バッテリーは「1日中持続する」。ただし「1日中」というのをもう少し詳しくみると「時刻のチェックが90回、通知の受信が90件、アプリケーションの利用時間は45分で、Apple Watchで音楽を再生しつつBluetoothで聞きながら30分のワークアウトを行った場合で、持続時間は18時間」だとのこと。
心拍計機能をオンにしてワークアウトをすれば持続時間は7時間となり、その間に音楽を再生していれば持続時間は6.5時間となり、さらに電話をかける場合には持続時間が3時間になる。
Apple Watchを時計としてのみ利用するつもりならば、バッテリーは2日ほどもつそうだ。しかし普通の腕時計であれば電池が2日ほどしかもたないなどというのは考えられないことだ。あるいは電池式でなく高級ブランドの機械式の自動巻き時計を使っている人も、日々使用する中で1日おきにネジを巻いたりはしないはずだ。
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(翻訳:Maeda, H)