Atlassianが自身のエコシステムに投資する52.5億円のベンチャーファンドを立ち上げ

Atlassian(アトラシアン)は米国時間6月16日、Atlassian Ventures(アトラシアン・ベンチャーズ)の立ち上げを発表した。これは、Atlassianのエコシステム全体の中で製品を開発しているスタートアップや、ある程度確立された企業に対しても投資するための、新しい5000万ドル(約52億5000万円)のファンドだ。

Atlassianの経営企画責任者であるChris Hecht(クリス・ヘクト)氏は「ますます多くの顧客が当社のクラウド製品に移行する中で、私たちは顧客のエクスペリエンスを向上させ、すべてのユースケースを満たす、クラウドベースのアプリの堅牢なエコシステムを育成することを通して、顧客のビジネスをサポートすることをお約束します」と本日の発表の中に書いている。「私たちは、マーケットプレイスですでに利用可能な4200本以上のアプリと、提供済みのSlack、Zendesk、GitHubといった人気の高いツールとの統合をとても誇りに思っています。しかし、そうした栄光に浸っている場合ではありません。Atlassian Venturesは、お客様がイノベーションの次の波を加速し、現在と将来の両方でご自身の仕事を管理するために必要となさる、最高のツールと統合に対する継続的な投資を促進して行きます」。

今回のファンドは三方向からのアプローチを採っている。まず同社のクラウド製品向けの製品を開発する初期段階のスタートアップに投資する。同社のクラウド製品向けの製品には、Jira、Confluence、BitbucketTrelloなどが含まれている。

しかし、現在ビジネスの拡大に取り組んでいる既存の企業にも投資を行う。ファンドの規模を考えれば、こうした投資を行うにはほかのVCとパートナーを組むことも当然あるだろう。ヘクト氏はこの例として、Zoom、Slack、InVision、process.st、Split.ioに対するAtlassianの既存の投資を挙げている。

これらの2つのグループに加えてファンドは、クラウドサービスを強化したり、将来の仕事をサポートする新しい製品を作成したりするAtlassian Partner Programのメンバーに対しても投資を進める。

この文脈では、Atlassianが最近そのエコシステムの中でいくつかの企業を買収したことも注目に値する。例えば、Automation for Jiraを開発するCode Barrel(コードバレル)、Mindville(マインドビル)Halp(ハルプ)などだ。

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画像クレジット: Karen Dias/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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