AWS(Amazon Web Services)はトラフィックの規模に応じて自由にスケールさせながらアプリの配信を管理するOpsWorksOpsWorksという新サービスをスタートさせた。
より興味が持たれるのは、新しく生まれつつ在るPasS(Platform as a Service)分野に破壊的革新をもたらす可能性があることだ。DevOps〔開発者が同時に運用者であるシステム〕の運用管理ツールの分野ではChefとPuppetが激しく競争しているが、そのインフラは次第に複雑さを増している。
プレスリリースによると、このサービスはリソース・プロビジョニング、コンフィグレーション管理、アプリケーション公開、ソフトウェアのアップデート、利用状況のモニタとアクセス管理などを含めたアプリの全ライフサイクルを管理するという。AmazonのCTO、Werner Vogelsによれば、AWS OpsWorksはベルリンのPeritor社(Scalariumの開発元で、AWSが2012年に買収)の開発によるものだという。
OpsWorksはデベロッパーに多層のレイヤーを提供する。レイヤーはデベロッパーが公開しようとする各種のAWSインスタンスの設計図の役割を果たす。レイヤーは特定のインスタンスのコンフィグレーションを設定したり、関連するAWSのリソース、たとえばElastic IPアドレスを取得したりするのに用いられる。デベロッパーはこれによってAWSのクラウド環境を容易に動的に管理できる。新サービスはRuby、PHP、HAProxy、Memcached、MySQLをサポートしている。さらにデベロッパーカスタム・レイヤーを開発して利用することができる。OpsWorksはChefと連動しており、必要に応じて特定のイベントに関連づけられたChefのレシピ〔運用自動化のスクリプト〕を呼び出すことが可能だという。
デベロッパーはOpsWorksは異なるレイヤーに自由にインスタンスを割り当てることができる。.
またOpsWorksではあらゆる面で処理の自動化が図られている。たとえばこのサービスはアプリの定義して公開する。デベロッパーはOpsWorksにソースコードの場所を教えておくだけで、後はこのサービスがデータベースのコンフィグレーションなどの作業を自動的に進めてくれる。
OpsWorksは非常に大きな影響を与える可能性がある。Hacker Newsのコメント欄にもあったが、Herokuを置き換える可能性もある。またOpsWorksがChefと連動する点については、Puppetに与える影響が注目される。
いずれにせよ、PaaS/DevOps市場は急速な拡大、進歩を続けており、OpsWorksの出現でアプリの公開管理の自動化とスピードアップはいっそう進むことになるだろう。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)