AWSがEC2向けARMベースのサーバを発表

ラスベガスで開催されているre:Inventカンファレンスで、AWSは本日(11月26日)、EC2クラウドコンピューティングサービス向けの、ARMベースのサーバーを立ち上げたことを発表した。しかし、使われているのはありふれたARMチップではない。AWSは標準のARM Coreを採用し、それをニーズに合わせてカスタマイズしたのだ。同社によれば、そのAWS Gravitonという名前のプロセッサは、多数の小さなインスタンにまたがって分散可能なワークロードの、スケールアウトに焦点を当てて、性能とコストが最適化されているということだ。

A1と呼ばれる最初のインスタンスセットは、米国とヨーロッパの多くのAWSリージョンで利用可能になった。オンデマンド、リザーブドインスタンス、スポットインスタンス、専用インスタンス、専用ホストといった、AWSのすべての標準インスタンス価格モデルをサポートしている。

現段階では、これらのマシンのOSとしては、Amazon Linux 2、RHEL、そしてUbuntuしか利用することができない。だがAWSは将来的には追加のオペレーティングシステムサポートが提供されることを約束している。

これらはARMサーバーなので、当然ながらアプリケーションを実行する前には、全てのネイティブコードを再コンパイルする必要がある。しかし、実質的にスクリプト言語で書かれたほとんどのアプリケーションは、おそらく何の変更も必要なく実行できるだろう。

これらのインスタンスの価格は、1 CPUと2 GiBのRAMを搭載したa1.mediumマシンの場合1時間あたり0.0255ドルから始まり、16 CPUと32 GiBのRAMを搭載するマシンでは0.4080ドル/時間に達する。 X86ベースのt3.nanoサーバーが0.0052ドル/時間から始まることを考えると、期待したほど安くはないかもしれないが、もちろんスポットインスタンスを使うことで、いつでもかなりの節約をすることが可能だ。とはいえ、ベンチマークを実際に見るまでは、こうした異なるタイプのマシンを比較することは難しい。

AmazonのJeff Barrが本日の発表で指摘したように、同社のいわゆるNitro Systemへの移行によって、より速いチップ上で新しいインスタンスタイプを起動することが可能になった。Nitroは基本的に、新しいインスタンスタイプを作成するためのビルディングブロックを提供し、必要に応じてチームがそれを混ぜ合わせたり組み合わせたりすることができる。

AWSが今月初めにAMD EPYCプロセッサのサポートを開始したことも注目に値する。

AWS re:Invent 2018カバレッジ

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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