Best Buyがマイノリティ創業者の支援を専門とするVCに最大約11億円を出資

Brown Venture Groupのマネージングパートナーであるクリス・ブルック氏、パートナーのJerome Hamilton(ジェローム・ハミルトン)氏、パートナーのChris Dykstra(クリス・ディクストラ)氏、マネージングパートナーのPaul Campbell(ポール・キャンベル)氏。ミネアポリスにあるオフィスの外で

George Floyd(ジョージ・フロイド)氏殺害を受けて、Best Buy(ベストバイ)は2020年夏に有色人種コミュニティのサポートを「さらに推進する」ことを約束した。過小評価とテクノロジーの不平等の問題にこれまで以上に取り組むというBest Buyが自らうたったミッションの一環として、同社は米国8月5日、Brown Venture Group(ブラウン・ベンチャー・グループ)に最大1000万ドル(約11億円)を投資すると発表した。

ミネソタ州を拠点とするBrown Venture Groupは「先端テクノロジー」を手がける黒人、ラテン系、先住民のテックスタートアップに特化して支援することを約束している創業3年のベンチャーキャピタル会社だ。Crunchbaseのデータによると、2020年の資金調達総額のうち黒人とラテン系のコミュニティが獲得した資金はわずか2.6%だった。

Brown Venture Groupは5000万ドル(約55億円)を目標とするの第1号ファンドの資金調達を行っていて、同社幹部によると目標額の75%は目処がついている。これは、ミネアポリスを拠点とするBest Buyの「最大1000万ドル」投資するという約束がBrown Venture Groupが調達する資金の最大20%を占め、これによりBest Buyがこのファンドのリーディングパートナー(LP)になるかもしれないことを意味する。

Brown Venture Groupの共同創業者でマネージングパートナーのPaul Campbell(ポール・キャンベル)博士は、自身と共同創業者のChris Brooks(クリス・ブルック)博士が会社設立の初期に「複数の地元の人」から「資金はすべて海岸側にある」ためツインシティーズ(ミネアポリス・セントポール都市圏)を去るべきだと言われた、と話した。

「ごく初期段階に、我々はツインシティーズにとどまり、ツインシティーの物語にすると固く決心しました」とキャンベル氏はTechCrunchに語った。「ですので、ツインシティーズのエコシステムについて、そして誰に当社のリードLPになって欲しいかを考えたとき、Best Buyがリストの一番上にきました。Best Buyが当社のファンドのリードLPとなることに勝る喜びはありません」。

この件について2020年の売上高が470億ドル(約5兆1800億円)だったBest Buyは、今回の動きは「資金へのアクセスやテック産業における次世代サポートの欠如など、黒人・先住民・有色人種(BIPOC)起業家が往々にして直面する組織的な障壁をなくす」ことをサポートするのが目的だと述べた。

また「Brown Venture Groupとの提携では、テクノロジースタートアプ分野をより包括的で多様なサプライヤーの強固なコミュニティを作り出すものにすることに向けて取り組む」と同社は付け加えた。

Best Buyのファンド出資の発表と併せて、Best BuyとBrown Venture Groupは教育、メンター制度、ネットワーキング、資金へのアクセスを通じて若い起業家の成長をサポートすべく、Best Buy Teen Tech Centersで起業家プログラムを共同展開することも明らかにした。

代表者らの「包括的な」皮膚の色を示すためにこの社名を選んだBrown Venture Groupは、これまでのところクリーンエネルギースタートアップEcolution kwhを含む5社に投資した。

1000万ドルという出資額は2020年の売上高が470億ドルという企業にとってはわずかなものにみえる。Best Buyはこのイニシアチブは同社がBIPOC企業をサポートしようとしているいくつかの取り組みの1つにすぎないと話す。その他の取り組みには、BIPOCの学生のための大学進学と就業の機会を増やすために4400万ドル(約48億円)を拠出する計画や、2025年までにBIPOCと多様性がある企業に少なくとも12億ドル(約1320億円)を注ぐという約束が含まれる。同社はまた、2025年までに時間給ではない3つの新たな業務の1つをBIPOC従業員に任せ、テクノロジーチームで1000人を新規雇用し、うち30%を黒人、ラテン系、先住民、女性など多様な人材とする、と述べた。

「BIPOCの起業家が直面してきた困難を解決するために意義ある行動を起こすことを約束します」とBest BuyのCEO、Corie Barry(コリー・バリー)氏は声明文で述べた。「今回のような提携を通じて、もしかすると将来Best Buyのパートナーになるかもしれないテック産業における多様な革新者たちの、これまでよりも強固で活気のあるコミュニティの構築をサポートすることで問題解決に着手できると確信しています」。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Best BuyVC投資マイノリティ

画像クレジット:Brown Venture Group

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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