最近ソーシャルメディアに何かが起きた。正確にいつからなのかは知らないが、ほぼ一夜のうちにフィードをスクロールすることがなんか楽しくなくなった。過熱した議論、嫌なニュース、偽ニュース、もっと嫌なニュース、そして不安をあおるコメント。ソーシャルメディアはかつてのような現実逃避場所ではなくなった。そこでBinkyの登場だ。そんな現状に対抗すべく作られた究極のアンチソーシャルメディアだ。
Binkyではソーシャルメディアのフィードを閲覧して反応することができる。投稿はBinksと呼ばれる。コメントしたり気に入った記事にいいね!をつけることも、re-Binkすることだってできる。左右にスワイプするのが自分の気持ちを表現するのに適したUIだという人はそうすることもできる。。
何の影響も与えない
最大の特徴は、何をやっても現実世界に影響を与えないことだ。あらゆるいいね!、re-Bink、スワイプはまったくもって役に立たない。まるで何を叫んでも聞く人のいない宇宙にいるようだ。ただし25万ドル払ってチケットを買う必要はない。
「はじめは冗談でした」とアプリの開発者、Dan Kurtzは言う。「他にすることがなくてアプリでフリックばかりしている人を皮肉るつもりでした。Facebookには怒りとストレスと悲しみが多すぎるけれども、スマホで何かしていたい。Binkyは〈何か〉をスクロールしたいけど特に目的はない、という問題を解決する。
そしてジョークが話題を呼び、子供にも安心なフィーシャープライス・バージョンのソーシャルメディアアプリができた。Kurtzがアプリを友達に見せると、案外無意味ではない、とみんなが言い始めた。
「これを見せた人たちは、ソーシャルメディアのニコチンパッチのようだと言ったのです」とKurtzは言った。「App Storeに載せたら、Cow Clicker ―― これ自身Farmvilleに対する皮肉 ―― の作者がBinksの記事を書いてくれました。そのあとは周知の通りだ。
つまり、これはジョーク? パフォーマンスアートの作品?Wi-Fiルーターを叩き壊すことなくソーシャルメディアを抜けるためのツール? そしておそらく、法外な評価額による資金調達を間近に控えたYoとは哲学的に対極にある。
「私のジョークが続いていくことを喜んでいます」とKurtzは言い、Binkyを巡るブランドとコミュニティーを作ることをほのめかした。「ジョークがよくなるほど私は本気になれるので、ユーモアのセンスに出資したいという人がいたら教えて欲しい。投資の話も大歓迎です」とKurtzは笑いながら話した。
アプリは無料でiOS版がここにある。Android版もすぐに続くとKurtzは言った。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )