400台のBitcoin ATMが、近々ドバイの裏道や幹線道路を飾るというニュースと共に、ここ数ヵ月間の暗号化ATMの活発化や、今この世界で起きようとしていることそのものが実に興味深い。
まず、Bitcoin ATMの市場は少々バブル化していると言える。このコンセプトが人々を魅了しているだけでなく、LamassuやRobocoinといったメーカーは、ATM製品の在庫確保に四苦八苦している。私がワルシャワで話した2人組の起業家は、2台のATMを発注済みで、いずれ設置する場所がなくなるのではないかと感じていた。彼らがLamassuの順番待ちで滞っている間にも、自然発生する高度武装化エレクトロニクスのごとくBitcoin ATMは出現し続けている。
悲しいかな、それはまだ主流となるにはほど遠い状態にある。AustinのSXSWでデビューしたRobocoinモデルを使うために、ユーザーは電話番号、政府発行IDの写し、顔写真、および静脈スキャン画像を提出しなければならなかった。そしてオーナーは2万ドル以上を機械に投じ、その中に7万5000ドルなりの現金を「浮遊」させておく必要がある。取引を制御するのは気まぐれなブロックチェインなので、購入には5分から15分程度 ― あるいはそれ以上 ― の時間待たされる。
たった今、そこでは激しい軍拡競争が起きている。各ATMメーカーは自社マシンを、疑われることのない都市に設置しては、スクラントンで初めて、とかサウサリートで最高のDogecoinなどと騒ぎ立てている。ドバイにあの大量のATMを設置しようという取り組みが証明しているように、メーカーは可処分所得を持つ人々がBitoinに手を染めてみたいと思うような、比較的裕福な地域をターゲットに選んでいる。
もちろん地元の選択肢もある。例えばSatoshi Squareは、Bitcoinを対面取引できるしっかりした交換所だ。しかし、今はBitcoinゴールドラッシュにとって重要な瞬間の一つにすぎず、ATMのピークはまだ来ていない。どこの街角にも置かれるようになれば、話題になることもなくなるだろうが、それまでの間「初めてBitcoin ATMを使ってみた!」という投稿の連祷をあちこちで見せられることになりそうだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)