この数ヵ月間BlackBerryは、世界を駆け回ってデベロッパーにBlackBerry 10のサポートを必死に呼びかけていたかと思われるが、少なくとも一ヵ国、事実上断念した市場がある。Nikkei Business Dailyの最新記事によると、カナダ、ウォータールー拠点の同社は、BlackBerry 10および同OSが動作するデバイスを日本に持ち込むのをやめた。BlackBerryはこの報道内容を認めた。
本件についてBlackBerryがTechCrunchに伝えた内容は以下の通り。
当社はBlackBerry 10を世界の重要市場で発売する過程にあり、すでに販売中の国々におけるBlackBerry Z10機の需要は好調である。日本はBlackBerryにとって主要な市場ではなく、今回同国でBlackBerryを発売する計画はない。
これは同社が日本から全面的に撤退するという意味ではない。Nikkeiの記事によると、BlackBerryはZ10、Q10などの新機種を日本で販売する予定はないが、現在も使われている僅かな既存機種のサポートは続ける。BlackBerryがBlackBerry 10の日本進出を取り止める決断を下した理由の少なくとも一部は、純粋に現実的な問題だろう。OSの全テキストを日本語に翻訳する作業は、BlackBerryが進出断念を決定するに十分な頭痛のタネだ。
もちろん、他にも理由はある。BlackBerryのハードウェアは日本やアジア市場での人気が低く、他のプラットフォームによって徐々にシェアを奪われていた。最大5%あった日本スマートフォン市場での同社端末のシェアが昨年は0.3%まで落ち込んだ。一方Androidは、2009年にHTC MagicがNTT Docomoの電波に乗ってデビューして以来順調に伸びており、AppleのiPhoneは、ソフトバンク(Sprintの買収に忙しい)とKDDI auのサポートを得て何度も売上チャートのトップを占めている。
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(翻訳:Nob Takahashi)