BlueOceanはAIを活用し迅速にブランドパフォーマンスを測定、改善の提案もしてくれる

BlueOceanは企業ブランドのパフォーマンス測定と改善を目的とするスタートアップだ。同種のこれまでのサービスと比べて比較的手頃なコストでスピードも非常に速い。

CEOのGrant McDougal(グラント・マクドゥーガル)氏、COO兼プレジデントのLiza Nebel(ライザ・ネベル)氏にインタビューした。BlueOceanのファウンダーはこの2人に加えてチーフデータサイエンティストのMatthew Gross(マシュー・グロス)氏となる。ファウンダーたちはこのテクノロジーを2年前から開発してきた。BlueOceanのこのほど正式にスタートしたところだが、すでにMicrosoft(マイクロソフト)、Panda Express、Pabst Blue Ribbonなどの著名ブランドに協力している。

BlueOceanはブランドオーディットの分野に焦点を当てている。これはブランドの詳細なパフォーマンス分析で、機能している側面と機能していない側面を識別し評価するものだ。ネベル氏(Ogilvyでのブランドとデジタル戦略を担当した経験がある)によれば、従来のブランド分析は1回に数百万ドル(数億円)の費用がかかり、「机上の空論」のようなレポートが提出されることがよくあるという。

これに対してBlueOceanでは、ブランド側は自社のウェブイトとライバルのリストという2種類の情報を用意するだけでよい。これだけで1週間後にはブランド審査を受けるが、その費用はわずか1万7000ドル(約180万円)で、改善に関するに推奨事項も含まれている。

これが可能になったのはBlue Oceanが「オートメーションファースト」というアプローチを取ったからだ。 同社はAIのアルゴリズムを利用してそれぞれの業種ごとに数百のデータソースを選び出す。マクドゥーガル氏によればアルゴリズムは「正しい分類法はどのようなものか?」「 どのようにして正しいデータを取得できるか?」といった重要な問題に答えを与えてくれるという。

BlueOceanの創業者であるグラント・マクドゥーガル氏とライザ・ネベル氏。(画像クレジット:BlueOcean)

「組織のトップと話し合うのが我々の戦略だ。マーケティングでもその他の分野でも最高責任者クラスと話をする。我々のアドバイスを必要としているのは、このレベルの経営幹部だからだ」とマクドゥーガル氏は付け加えた。

ネベル氏によれば BlueOceanのクライアントに大手酒造会社があり、最近、既存のブランド下にハードセルツァー(アルコール入り炭酸水)のシリーズを立ち上げた。BlueOceanがブランド審査を行ったところ「ハードセルツァーは既存ブランドではなく別ブランドにしたほうがよい」という結果となった。酒造会社は、この提案に基づいて3つの異なるブランドでハードセルツァーを販売する計画だという。

ネベル氏はサービスの説明として、我らがTechCrunchについても簡単なブランド審査をしてくれた。この「5分バージョン」の審査はメディアポジショニング、メッセージ性、提供サービス、既存顧客、見込み顧客といった観点からTechCrunchのパフォーマンスを分析するもので、総合評価のスコアは「そこそこよい」程度の97(ただし「記憶に残る」と「刺激的」の2点では優秀なスコア)だった。改善の提案には「コンテンツを着実にソーシャルメディアに継続的に公開する」「モバイルアプリのユーザーエクスペリエンスを改善する」などが含まれていた。

マイクロソフトのブランド戦略担当ディレクターであるTim Hoppin(ティム・ホッピン)氏は声明の中で「BlueOceanのツールを利用することで、すべてのプロダクトをブランドというレンズを通してモニター、理解し、施策を実行する能力を改善できる。我々の製品を毎日使っている世界の何千万ものユーザーとの関係をさらに深めることができるのはエキサイティングな経験だ」 という。

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画像クレジット:BlueOcean

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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