Boseが日本を含む世界119カ所の直営店を閉鎖へ

これは永遠の課題だ。ものを買う習慣はテクノロジーとともに変化し、あらゆるリアル店舗のオーナーはネットショップから何らかの圧力を感じている。どうやらBose(ボーズ)ほどの有名ブランドでさえ、翌日配達のパワーには勝てなかったようだ。

オーディオメーカーであるBose(ボーズ)は今週、オーストラリア、ヨーロッパ、日本、および北米の直営店119カ所を数カ月のうちに閉鎖するとThe Vergeに伝えた。1993年に初めて米国に出店して以来、Boseには店頭販売の歴史がある。

当時、世界中のSharper Imagesなどのショップから撤退して店頭に自らのブランドネームを掲げるという計画は、確かに理にかなっていた。何百ドルもする商品を買う前に消費者に対面デモができる利点は大きい。しかし、昨今このモデルが成立しなくなったことは明らかだ。

「毎日わたしたちに誇りを感じさせてくれる素晴らしい店頭チームのことを思うと、今でも困難な決断です」と、同社が社員宛てに送った文書に書かれていた。「彼らは店に来てくれた人たち一人ひとりに真摯に対応する。それが問題を解決するためであっても、専門的なアドバイスをするときでも、ひと休みして素晴らしい音楽を聞きたいだけの人であっても。長年にわたり、それがカスタマーサービスの基準になっていった。そしてBoseの全員が感謝の気持ちをもっている」。

Boseは、影響を受ける社員に対して退職手当や再就職の斡旋を行うと言っている。また、中国、UAE、インド、韓国、およびその他アジア地区の130店舗は営業を続ける。

この種の物事に盛衰があるのは当然だ。私がCESで会ったヘッドフォンのスタートアップであるNuraは、自分たちのオーディオ技術を直接体験してもらうために小さな店舗をいくつか開くつもりだと言っていた。もちろん、そのサイズやスケールはBoseとは比較にならないが。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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