Xamarinは、C#でiOS、Android、OS X、Windowsなど向けにクロスプラットホームなアプリケーションを書ける、というサービスだが、このほどそのバージョン2.0をローンチした。重要機能のほとんどすべてがアップデートされたが、デベロッパにとって最大の関心はたぶん、プラグインにより、MicrosoftのVisual Studioを使ってiOSアプリをC#で書けるようになったことだろう。
また、これまではMonoという社名がブランドだったが、これからはすべてXamarinブランドになる。
Xamarin 2.0ではVisual Studioを使ってiOSアプリを書けるほか、無料のStarter Edition(初心者エディション)も提供される。
この新バージョンでは、Xamarin Studioという名のIDE(integrated development environment, 統合開発環境)が提供される。XamarinのCEO Nat Friedmanが今日の発表声明文の中で、このIDEは“iOSやAndroidのSDKをしっかり統合しているので、アプリを構築し、シミュレータと実機の上で試験とデバッグができる”、と述べている。Xamarin Studioには、デベロッパたちがIDEに一般的に望む機能、たとえばコード補完、現代的なデバッガ、IDEの中からアプリをパッケージして配布できる機能、などがある(iOSアプリをTestFlightで配布することも可能)。Android向けにはXamarin独自のUIビルダが提供され、iOSではAppleのXcode Interface Builderをデベロッパは使う。
このほかに、Component Storeというものがあり、ここでデベロッパは、ユーザインタフェイスのコントロール類とか、各種のサードパーティクラウドサービスへの接続、チャートやグラフ、といったコンポーネントを互いに共有ないし売買できる。その一部は無料だが、有料のサービスに結びついているものも多い。ただし、購入や支払はXamarin上でできる。
新たに提供される無料の(やや制約のある)Starter Editionは、Xamarinのサービスを主に個人デベロッパ向けに提供する。制約は、完成したアプリのサイズ(コンパイル後のコードが最大32Kまで)と、ノンサポートであることだ。Xamarinの有料バージョンは、1プラットホームにつき年額299ドルから、企業向けには999ドルから、となる。