Carbon Engineering(カーボンエンジニアリング)は二酸化炭素除去サービス事業を進めている。この事業では、直接空気回収(DAC)技術を使用して大気からの二酸化炭素除去を顧客が購入できるようにする。
サービスの開始と、Shopify(ショッピファイ)が同社の最初の顧客になるという発表は、同社の最も直接的な競争相手であるClimeworks(クライムワークス)が、スウェーデンの隔離サービス会社であるNorthern Lights(ノーザンライツ)と契約を結び、独自の直接空気回収をサービスとして始める動きと時を同じくして行われた。
Carbon Engineering(CE)はShopifyとの契約により、大規模なDACプロジェクトによる1万トンの恒久的な炭素除去能力に対価を払う最初の顧客を獲得した。除去と隔離は、CEのプラント開発パートナーである1PointFiveが行う。同社はCEの最初の産業規模の施設を現在設計している米国の開発会社で、施設は2024年に完成する予定だ。
「DACの初期の顧客、特に気候に関する野心的な目標を持つ企業には大きな影響を与える可能性があります。DACサービスを購入することで、企業が『ネットゼロ』宣言をより早く達成できるだけでなく、DAC技術の学習曲線が進み、将来的にはコスト削減が推進され、DACサービスに手頃な価格で幅広い顧客がアクセスできるようになります」と気候分野の市民団体であるCarbon180の創設者で社長のNoah Deich(ノラ・デイヒ)氏は述べた。「動きの早いリーダー企業や、望むらくは早期にこの動きに追随する複数の企業が、気候変動への支出の多くをDACに向ける方法を、Carbon Engineeringが発表したのを見て非常に興奮しています」。
Carbon Engineeringが市場に打って出る時間軸はClimeworksとほぼ同じだ。両社にとって幸運なことに、何十億トンもの二酸化炭素排出量を回収・隔離する必要があることを考えると、両社にとって間違いなく十分な大きさの市場となる。
Shopifyはそのコミットメントにより、直接空気回収ベースの二酸化炭素除去に関して公に発表された最大の購入者になった。
「Carbon Engineeringの使命は、大気から二酸化炭素を除去する拡張性が高く手頃なソリューションを提供することでした」と同社CEOのSteve Oldham(スティーブ・オールダム)氏は声明で述べた。「私たちはCarbon Engineeringのテクノロジーを大規模に展開しようとしています。次の重要なステップは市場の関心を集め、顧客を確保することです。この新しいサービスでそれが可能になります。また、企業や政府がネットゼロ計画に恒久的な二酸化炭素除去を含めることも容易になります。Shopifyとの関係を拡大し、最初の二酸化炭素除去の顧客として迎えることに興奮しています。大規模な二酸化炭素除去をまとめて実現できるよう支援することを楽しみにしています」。
二酸化炭素除去ユニットの購入は、Occidentalの子会社であるOxy Low Carbon Ventures, LLCやRusheen Capital Managementなど資金力のある投資家が投資し、CEの開発パートナーでもある1PointFiveが展開する分散型空気回収施設によって実現される。
CEはまた、英国のPale Blue Dot Energyと協力して、大西洋全体に直接空気回収技術を導入している。
「このニュースを歓迎し、Shopifyの気候リーダーとしての地位を称賛します」と1PointFiveのRichard Jackson(リチャード・ジャクソン)会長は述べた。「気候変動に関する政府間パネルのような気候の専門家と並び、持続可能な低炭素世界のビジョンを達成するためには、恒久的な二酸化炭素除去が必要になると認識しています。1PointFiveは、CEのテクノロジーに基づく大規模な炭素除去機能を市場に投入し、世界中の顧客の気候に関する目標達成を支援することを楽しみにしています」。
カテゴリー:EnviroTech
タグ:Carbon Engineering、二酸化炭素、Shopify
画像クレジット:Luke Sharrett/Bloomberg / Getty Images
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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi)