さてあなたが音声認識対応で、AIも内蔵、バズワードてんこ盛りの次世代ガジェットを作成したいとしよう。最初にする必要があるのは、プラットフォームの選定だ。Arduinoだとパワー不足だ。Raspberry Piはプロトタイプのためには素晴らしいが、Piから実プロダクトへ辿り着くためには多くのステップが必要だ。Next ThingのChip ProはIoTクリエイターのために、そうしたギャップをスマート開発キットを使って埋める手伝いをしてくれる。
開発キットは、アプリケーションを構築するために必要なコアチップと、チップのすべての機能を発揮させることのできるやや大きな開発ボードを巧みに組み合わせたものだ。ここでのアイデアは、開発ボード(USBホストポート、電源コントローラ、バッテリとメイン電源ソケット、オーディオジャック、1対のマイク、サーボコントローラー、LEDなどが搭載されている)を利用して、製品のプロトタイプとビルドを素早く行うというものだ。動作するプロダクトができたら、チップをデバッグボードから外して、独自のプロダクト作りをそこから始めることができる。
Chip Proで開発されたプロジェクト例の1つは、インターネット対応のレコードプレーヤーTrntblだ、現在プレオーダーを425ドルで受付中である。それは普通のレコードプレーヤーだが、開発チームが1つIoTマジックを付け加えた:あなたのDJテクニックをそのままSpotifyを通して世界に配信することができるのだ。有用かって?さあね。驚くかって?もちろん。
「この1年のコミュニティよるプロジェクトの創造結果を見れば、ガジェットルネッサンスが今起きていることがわかります」こう語るのはNext Thing社のCEOで共同創業者のDave Rauchwerkだ。彼が言及したコミュニティとは、同社の以前の製品である9ドルのチップを使って既に開発を行っている6万人の人びとを指している。 「私たちの製品で人々が構築しているもの全てを目にすることにとても興奮しています。ヒットガジェットを発明している人たちもいます、例えば、スマートホーム機器、ロボット、AI搭載オーディオ、子供のおもちゃや、そして車載インフォテインメントシステムなどです」。
Chip Proが見せる本当の魔法は、それが予測可能な安定性を持っていることだ。同社は、メイカーにとっての大きなサプライチェーンの課題を肩代わりし、組み立ててテストをする前のChip Proを構成する100個以上の部品の調達を行う。同社の価格設定も極めてシンプルなものである:1ユニットあたり16ドル。注文が1個でも100万個でも関係ない;コストは16ドルなのだ。過去にエレクトロニクスの大量生産を行った者として、これだけは言わせて欲しい:自分のときにこれがあって欲しかった。これは大量生産を本当に楽にしてくれたことだろう。
同社は2013年にOTTOという名のハッキング可能なGIFカメラのKickstarterから始まった。その過程でチームは興味深いいくつかの課題に出会い、彼らに、メイカーたちにはシンプルで低コストなプラットフォームの需要があることを気付かせた。このプロダクトも、Kickstarterで暖かい歓迎を受け、約40,000人の支援者たちから200万ドル以上を調達した。
現行世代のChip Proが、次世代のガジェットの発明者に対して与える影響を見るのが本当に待ちきれない。
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(翻訳:Sako)