Cisco大変身、ハードウェア屋からクラウドベースのサブスクリプションモデルへ、今度はSD-WANのViptelaを買収

Ciscoはこのところかなり貪欲で、2015年以来19社を買収している。今日同社は、クラウドベースのSD-WANベンダーViptelaを6億1000万ドルで買収した。

Viptelaは2012年に創業され、これまでに1億800万ドルを調達している。いちばん最近では、昨年5月の7500万ドルだ。6億1000万ドルの売値は、投資家にとっておいしいリターンだろう。

カリフォルニア州サンノゼに本社を置く同社は、VCからの資金に支えられてSD-WANのソリューションを作っている。SD-WANはsoftware-defined wide area network(ソフトウェア定義広域ネットワーク)、の意味だ。そのソフトウェアベースのネットワークにより、企業は地理的に離れた複数の事業所を互いに接続できる。

Viptelaはその工程を単純化し、これまでとても複雑だったデプロイと管理を容易にする。Cisco Enterprise Networking GroupのPM担当SVP Scott Harrellが、声明文の中でこう述べている: “Viptelaの技術はクラウド-ファーストで、単純で容易なデプロイとともに、豊富で多様な能力とスケールを提供する。今日の顧客は、まさにこの両者を求めている”。

これは確かに、Ciscoにとっては理にかなった買い物だ。ここ数年同社は、猛烈な勢いでクラウド企業を買い漁っている。思い出せば同社は、今年の初めには37億ドルという大金でAppDynamicsを買収したが、それは純粋なクラウド企業ではなかった。しかし昨年14億ドル買ったJasper Technologiesは、クラウドベースのIoTプラットホームだ。

従来型のネットワーキングビジネスの大手老舗である同社は、現代的なソフトウェア定義ソリューションをクラウドに求め、市場の変化に自分を合わせようとしている。近年のCiscoは、“作るか買うか”を比較した場合圧倒的に買う方に傾いているが、それも悪くはない。なにしろ同社の手元には700億ドルあまりのキャッシュがある。6億1000万ドルは、ポケットの小銭のようなものだ。

また最近の買収には、ハードウェアベンダーからサービス指向へ、という舵取りの変化も見られる。Ciscoと言えば伝統的にネットワークハードウェアの企業だが、今徐々に、企業顧客から毎年サービスの料金収入が得られるサブスクリプションモデル〔≒会費収入型ビジネスモデル〕へ、軸足を移しつつある。

Ciscoはオンプレミスとクラウド両方のSD-WANプロダクトを提供するが、Ciscoの対企業事業開発担当VP Rob Salvagnoはブログの記事で、この買収は同社に、これまで内製で提供してきたものに代わる現代的なビジネスをもたらし、サブスクリプションの売上という魅力的な収益源を与える、と述べている。“CiscoとViptelaが力を合わせることにより、あらゆるサイズとスケールの顧客ニーズに対応するSD-WANのベストソリューションを作り出せる。しかもまた、ソフトウェアベースのビジネスモデルという繰り返し性*のあるビジネスモデルへの、Ciscoの遷移を促進する”、とSalvagnoは書いている。〔*: recurring, 再現性がある、ハードウェアのように売ったら終わりではない〕

同社の2月の決算報告では、売上は116億ドルだが、今では上記の‘遷移’すなわちサブスクリプションの売上がその1/4近くを占める。そのときの報告でCEOのChuck Robbinsは、“ソフトウェアとサブスクリプションによる繰り返し性のある売上は51%増加し、40億ドルに達した”、と述べている。

このところ縮小傾向にあるハードウェアの売上を、新たなサービスの買収で埋め合わせようとする同社の動きは、今も続いている。Viptelaの買収も、その一環だ。クラウドベースのサブスクリプションビジネスへの遷移の努力は、今後もしばらくは続くだろう。

この買収の完了は今年の後半になると思われるが、その後ViptelaのチームはCiscoのNetworking and Security Business部門の一部であるEnterprise Routingのチームに加わる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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