Cockroach Labsがサーバーレス版SQLデータベースを発表

米国時間10月19日、CockroachDB(コックローチDB)を開発しているCockroach Labs(コックローチ・ラボ)が、開発中のSQLデータベースの新しいサーバーレスバージョンのパブリックベータ版を発表した。これにより、開発者は明示的に定義することなく、スケールアップ / ダウンするデータベースリソースを簡単に使えるようになる。

共同創業者でCEOのSpencer Kimball(スペンサー・キンボール)氏は、その目標は開発者の複雑さを軽減すると同時に、きめ細かな価格体系を提供することだとしつつ、次のように述べている。「(サーバーレス製品は)開発者たちの事前の決定事項を減らします。これはとても重要なことです。しかし、もう1つの大きなメリットは、きめ細かな使用量に応じた課金が可能になり、使用した分だけ請求されるようになることです」。

データベースに対するサーバーレスのアプローチが重要な点は、開発者が行うキャパシティプランニングやそれに関連するすべての作業が不要になるところだ。つまり、アプリケーションを実行するために必要なノード数やマシンタイプを予測する必要がなくなるということだ。その代わりに、Cockroachのサーバーレスデータベースを指定するだけで、ワークロードを実行するために必要なだけの量のリソースを提供してもらえる。ワークロードが必要としないときには、1つのノードを完全に使うことさえしないかもしれない。

この動作にはリソースの共有も含まれているが、個別のデータはバックエンドで常に隔離されているとキンボール氏は指摘する。「実データが暗号化されていない重要な部分は、個別の開発者やユースケースから完全に隔離されています。このように隔離は行われつつも、バックエンドではデータの保存と検索のためのタスクが多数のマシンで共有されており、リソースを効率的に利用することができるようになっています」と彼はいう。

そして、このようにリソースを効率的に共有することで、開発者がアプリケーションを構築する際に、実際に軌道に乗るまではお金を払わなくてもよいような、寛大な無料プランを提供できるようになったという。さらに、ワークロードが急増した場合には、必要に応じてリソースを自動的に増減させることが可能だ。また、容量管理を自動化する際の重要なポイントだが、リソースの使用量が支払い能力を上回らないように制限をかけることができる。

キンボール氏によれば、無料プラン版から有料プラン版に移行するまではクレジットカードの提示は求めないので、アプリケーションが急激に成長を始めても請求書に驚くことはないという。彼は無料プランを「寛大」と表現しているが、価格プランの正確な詳細はまだ検討中だ。

このサーバーレス製品は、米国時間10月19日よりパブリックベータ版の提供が始まる。

Cockroach Labsは2015年に創業された。Crunchbaseのデータによると、これまでに3億5500万ドル(約405億5000万円)以上を調達している。直近の資金調達は、1月に20億ドルの評価額で行われた1億6000万ドル(約182億8000万円)のシリーズEだ。

画像クレジット:onurdongel/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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