Code.orgのCode Studioが、合衆国の60の校区で教師にプログラミングを教える。その中の合衆国最大の7つの校区は、人種等の多様性が最大の校区でもある。
ニューヨーク市教育局とロサンゼルス統一校区とシカゴ公立校校区の三つは、多様性が最大でかつ世帯収入が最低の校区だ。そのほかの事業、Girls Who CodeやBlack Girls Code、Black Boys Codeなどもマイノリティのコンピュータ科学/プログラミング教育を志向しているが、いずれも規模が小さく、しかも学校のクラスではなく賛助団体の施設を使っている。
Code.orgの活動はすでに、1億人近い人びとに何らかの形で到達している。その中には、大統領府(ホワイトハウス)も含まれる。合衆国政府はCode.orgのHour of Code事業を公認し、オバマ大統領も昨年、この事業を通じてプログラミングを体験した6000万人の一人となった。
Code.orgの協同ファウンダHadi Partoviは、インナーシティ(都心のスラム的地区)の公立校区で活動を展開すれば、コンピュータ科学とコンピュータ工学における多様性の欠如を解消する糸口になる、と信じている。“上流階級が住む静かな郊外地区ではないからね”、と彼は言う。
Code Studioは20時間強の本格的なプログラミングコースで、生徒たちにインターネットの基礎から教え、ゲームやアプリを自作できるまで導く。教材の中にはディズニーのAnna and Elsaや、Angry Birds、FacebookのファウンダMark Zuckerbergなども登場するので、生徒たちは楽しみながら学べる。
この事業は最近、ひとつの節目を迎えた。これまでに教えた女子の数が100万を突破し、また黒人やヒスパニックの生徒も100万を超えたのだ。ここで学んだことが必ずしも、今後のキャリアに直接結びつくわけではないが、Partoviによれば目標はあくまでも子どもたちの心からスティグマ(自己劣等化意識、どうせ自分はだめだから意識)を取り除くことだ。参加児童の平均年齢は、12歳だ。
今合衆国には、ソフトウェアを職業にしている女性が約55万人いるが、キャリアの中途でその 1/4が非技術的な職業に移ってしまう、とNational Center for Women in Information Technologyが報告している。中途で職業を変えたり学校を中退する理由は、無力感や孤独感に襲われることだ。
大学でコンピュータ科学を専攻する女性やマイノリティはそれほど多くはないが、Code.orgのCode Studioで学んだ人たちは、15%が黒人、22%がヒスパニック、そして43%が女性だ(上図)。この数字はもっと増やしたい、とPartoviは言っている。
Code.orgの最近のブログ記事は、次のように述べている: “コンピュータのソフトウェアやインターネットの基礎、そしてそれらがどのように世界を変えつつあるかを子どもたちが学ぶことに、差別があることは正当化できない。それは、誰もが学ぶべきことだからだ。しかもCS教育の人種的文化的差別がなくなれば、今後のテクノロジ業界が得る人材はきわめて豊富になるのだ”。
Code.orgの事業でプログラミングを学んだ児童生徒は全世界で426万に達する。その多くは合衆国だが、ボランティアたちの手により教材は34か国語に翻訳され、合衆国以外の国々の子どもたちに対しても事業の展開が始まっている。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))