約150億円を運用するシードステージのベンチャーキャピタル「Coral Capital」(コーラル・キャピタル)は6月4日、投資先スタートアップ企業のためのワクチンの職域接種を実施する体制が整ったことを発表した。これは、職域での新型コロナワクチン接種を開始する政府方針に沿う取り組み。
Coral Capitalでは、投資先約80社のスタートアップの正社員、業務委託スタッフ、インターン、その家族を対象に、すでに接種希望者の集計を完了。1800人の希望者リストを作成した。
同社の投資先で、都内を中心に9拠点の内科クリニック「キャップスクリニック」を展開するCAPSグループの協力で医療従事者を確保した。政府からのモデルナ製ワクチンの配布を受け次第、6月21日を目途に接種を開始する予定。
政府方針に従い職域接種に対応できる大手企業と異なり、小規模なスタートアップは医療従事者や会場の確保に苦労している現状を受け、スタートアップの従業員とその家族に職域接種の機会を提供することには、社会的に大きな意味があるとCoral Capitalは考えた。同社はこの合同職域の意義として、「効率化の知見共有」「新興企業の救済」「イノベーションの加速」を掲げている。つまり、ITリテラシーが高いスタートアップ従業員と効率のよい合同接種オペレーションを構築し、その知見を自治体や中小企業の合同職域接種に提供できること、福利厚生が充実していない中小企業に合同接種モデルをいち早く構築し摂取率向上を加速できること、日本の未来を作るスタートアップとその家族の健康を守り、社会のイノベーションを加速することだ。
Coral Capitalでは、投資先以外のスタートアップ従業員と家族に合同職域接種の機会を提供しようと、希望するパートナーVCの募集を行っていたが、すでに締め切られている。
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