Dropboxが企業ユーザーにアドミンツールAdminXを提供、ファイルだけでなくいずれデバイスの管理も

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5億のユーザーがいるクラウドストレージ企業Dropboxは、利益を上げIPOが近まるにつれて、儲けの源泉である企業市場のための機能を徐々に増やしてきた。

今日(米国時間7/27)そのDropboxが、企業ユーザーのITアドミンたちのためのダッシュボード、AdminXを披露した。Dropbox Businessのユーザーはおよそ20万社いるが、そこのアドミンたちがこのダッシュボードを使って、会社のファイルやそのユーザーをより適切に管理できるようになる。

同時にまた同社は、ベーシックなストレージ以上のサービスをローンチすべく、準備を進めている。まず、AdminXのコンソールに近くモバイルデバイスの管理機能が加わる。そうするとアドミンは、Dropboxのファイルだけでなく、デバイスも管理できるようになる。

しかも今は、2017年の後半…つまりほぼ1年後…に同社がIPOする、という説が情報筋から入ってくる。この件は、Dropboxに問い合わせるとノーコメントだ。

DropboxによるとAdminXは、1年前に社内で芽生え、育ってきた企画だ。そしてその動機は、単純だ。そもそもDropbox Businessには、最初からアドミンツールがあるのに、あまり使う人がいない。そこで同社は、消費者向けサービスでユーザーインタフェイスとして提供しているWebページに着目し、それをもっと直観的でもっと単純なインタフェイスへと改作した(下図)。

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  2. 2-add-groups-to-team-folder.png

  3. 3-manage-team-folder-settings.png

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  5. 5-manage-sync-settings-at-scale.png

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その機能としては、まずフォルダのデザインが個人用、チーム用、大組織用で区別される。そしていずれも、パーミッションの粒度がより細かくなり、それをAdminXから管理できる。ファイルのシンクのためのコントロールも、より強化された。アドミンは、ローカルにシンクされるファイルと、そうでないファイルを区別できる。ローカルなら、どのデバイスならファイルを書き換えてもよいか、ということが決まる。また、使用するディスクスペースも管理できる。

ファイルのイベントロギング(ログ取り)が加わり、アドミンはどのファイルに誰が何をしているか、したか、よく分かるようになった。

DropboxのプロマネのトップRobert Baesmanによると、近く実装されるモバイルデバイスの管理機能により、アドミンはシンクするデバイスの数を制限できるようになり、アクセスを保護できるが、そのローンチは今年の晩(おそ)い時期だそうだ。それはDropboxの内製だが、企業がほかのモバイルデバイス管理ツールを使っている場合、必ずしもそれらと競合したり、それらをリプレースするものではない、という。

Baesman曰く: “この分野はあまり競合がないからね。うちはパートナーとの関係が緊密だから日常的によく分かるんだけど、彼らの方が自分の企業のための正しいツールをよく知っている。ほかのユーザーも、自分たちに合った独自のソリューションを使っていただきたいと思うけど、しかしそこまでの余裕のない顧客もいる。弊社の顧客はきわめて多様だから、ニーズもさまざまで、彼らに合ったユーティリティをうちが提供しなければいけない部分もあるのだ”。

Dropbox Businessの料金は、5ユーザー月額75ドルからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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