パンデミックは、個人にとっても企業にとっても多くの反省点があるものだった。テクノロジー企業は特に、オフィスでのフルタイムの仕事に今後戻るのかを検討している。リモートとのハイブリッド方式を考えている企業もあれば、ビルの一室には戻らないだろうという企業もある。このような状況の中、Dropboxは今週発表するDropbox Studiosという新たなコンセプトでオフィスを再構築することを決定した。
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DropboxのCEOで共同創業者のDrew Houston(ドリュー・ハウストン)氏は、今回のパンデミックを、企業が分散というレンズを使って仕事のあり方を見直すきっかけとなる強制的な出来事だと考えていり。彼は、多くの企業が単純に昔の仕事のやり方に戻るとは考えていない。そのため、ハウストン氏は自分の会社のオフィスデザインを見直し、仕切られた小部屋が集まったような風景を止めようと考えた。その代わりに、彼は人々は必ずしも建物の中の一定の場所にずっといる必要はないとことを考慮した新しいアプローチに注目した。
「今週、サンフランシスコをはじめとした米国でDropbox Studiosをソフトローンチまたはオープンしました。この機会に、オフィスをスタジオと呼ばれるコラボレーションスペースに再構築することに重点を置きました」とハウストン氏は語る。「私たちは本当にすばらしい個人的な経験ができることに焦点を当てました。その中には会社レベルで調整するものもあれば、もっと多くのコラボレーションをサポートするために改装されたスタジオに行くこともできます」とハウストン氏はいう。
そのために同社は、カジュアルな雰囲気を醸し出すコーヒーショップ、ハウストン氏が「オンサイトとオフサイト」と呼ぶチームのための会議室、組織的なグループ学習のための教室など、多くのソフトスペースを設けている。その基本的な考え方は、オフィスとしての利点を活かすために、目的に合わせてスペースを自由自在に編成できる可能だ。家での仕事に欠けていた人との出会いも可能にしながら、自宅で個人的な仕事の効率を上げることができたようにもしている。
同社は、サンフランシスコ、シアトル、東京、テルアビブなどの主要都市に専用スタジオを設置し、その他の地域ではWeWorkなどのパートナーが運営する小規模なオンデマンドスペースを利用する。
2020年のTechCrunch Disruptでハウストン氏は、Dropboxはこの機会を前向きに捉えて、分散型労働の最先端に立ちたい。そしてその実例を提供し、他社の導入を誘導したいと語っていた。
「『分散型ワーク』への移行の影響をより広く考えると、オフィスに戻ったとき以外にも影響が出てきます。つまり、私たちは一方通行のドアを通過したのです。これはおそらく、ナレッジワークという言葉が1959年に生まれて以来、最も大きな変化の1つだと思います」とハウストン氏は2020年に語っている。
彼は会社がプロダクトを繰り返し開発するのと同じく、どのように機能するかを評価し、必要に応じてデザインを繰り返していかなければならないと認識しており、新しいスペースやコラボレーションワークへの影響を評価し、必要に応じて調整していく予定だ。他者を支援するためにDropboxはVirtual First Toolkitと呼ばれるオープンソースのプロジェクトプランを公開している。
新しい働き方に移行し、必要なスペースが劇的に変化する中で、Dropboxはこのアプローチに全面的に取り組んでおり、既存のオフィススペースの多くを再利用する予定だ。大胆な一歩だが、ハウストン氏は自分の会社がユニークな立場にあると捉えて、Dropboxが他社にとって働き方を再構築する方法の模範になることを望んでいる。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Dropbox、オフィス、ハイブリッドワーク
画像クレジット:Dropbox
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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)