ビデオゲームの巨人Electronic Arts(EA、エレクトロニック・アーツ)は、モバイルゲーム市場での存在感を高めようとM&Aの動きを続けている。
2021年4月に24億ドル(約2664億円)を投じてGlu Mobileを買収したばかりのEAは、Warner Bros. Games(ワーナー・ブラザース ゲーム)傘下のモバイルゲームスタジオであるPlaydemic(プレイデミック)を14億ドル(約1554億円)で全額現金により買収すると発表した。Playdemicは「Golf Clash(ゴルフクラッシュ)」で知られる英国マンチェスターのスタジオで、同タイトルは全世界で8000万ダウンロードを記録しているという。
このタイミング的に不吉ともいえる名前のスタートアップは、430億ドル(約4兆7720億円)規模のWarnerMedia(ワーナーメディア)と(ディスカバリー)の合併に先立ち、新天地に移される。Warner Bros. Gamesの残りの部門は、合併会社に存続することになる。
EAは、時価総額約400億ドル(約4兆4400億円)の欧米第2位のビデオゲーム会社だ。同社の成功は「バトルフィールド(バトルフィールド)」「Star Wars(スター・ウォーズ)」「Titanfall(タイタンフォール)」などの人気フランチャイズタイトルを含む、PCおよびコンソールタイトルによるところが大きい。2016年にKing(キング・デジタル・エンターテインメント「キャンディークラッシュ」の開発元)を買収して金を掘り当てたActivision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)のような競合他社に追いつくために過去10年ほどの大半を費やしてきた同社は、モバイルでの覇権獲得には苦戦を強いられてきた。
EAはここ最近スタジオを次々に買収しており、2021年に入ってから総額50億ドル(約5550億円)相当におよぶ3つの大規模な買収を発表している。
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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:EA、モバイルゲーム、買収
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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)