Eclipse IDEでその名が知られているEclipse Foundationは、実はそのサーバ上で250あまりのオープンソースプロジェクトをホストしている。この団体の重要な目標の一つが、業界を各種の標準規格とそれらの実装のもとにまとめていくことだが、その方面でのEclipseの最新の取り組みの一つが「物のインターネット(Internet of Things)」だ。
同団体のマーケティングとエコシステム担当VP Ian Skerrettによると、今日の物のインターネット製品はプロプライエタリな技術をベースとするものがほとんどだ。Eclipse Foundationのようなオープンソースのコミュニティとしては、マシンツーマシン(machine-to-machine, M2M)のプロトコルとツールのオープンなスタンダードを作ることによって、オープンな物のインターネットを実現したい。Skerrettは曰く、そもそもインターネット自体が、そのようなオープンスタンダードの上に築かれており、物のインターネットも本格的に普及するためには同じ原則に基づいて推進される必要がある。
今Eclipse Foundationのもとで仕様や実装に取り組んでいるのは、IBM、Sierra Wireless、Eurotech、Axedaなどだが、参加企業は今後さらに増やしたいとSkerrettは言う。また、同団体がホストしているオープンソースのM2Mプロジェクトには、多くの個人や大学等も協力貢献している。
これらの動きをさらに前進させるためにEclipse Foundationは今日(米国時間7/30)、新たに4つのオープンソースプロジェクトを加えた。そのうちの一つ、Ponteプロジェクトは、M2Mのプロトコルでセンサやアクチュエータからデータのリード/ライト容易に行うための、REST APIを作る。またEclipse SCADAというプロジェクトは、ソーラーファームのような大規模なプロジェクトの監視と制御を行う。そしてConciergeは、小規模な組み込みデバイス向けのOSGiコアスペックの実装だ。新プロジェクトの4つめ、Kuraは、M2Mゲートウェイのためのフレームワークだ。今はいろんなプロプライエタリなゲートウェイが入り乱れているが、Kuraのねらいはそれらをまとめる抽象化層(Java API)を作り、JavaによるM2Mアプリケーションの開発を容易化する。
Skerrettによると、今とくに努力しているのは、これらのプロジェクトおよび同団体の既存のプロジェクト軸とする、コミュニティの育成だ。メーカー運動(関連記事)や、Arduino、Raspberry Piなどなどの人気勃興とともに、オープンソースのデベロッパたちのハードウェアプロジェクトへの関心が深まっている。物のインターネットはまだ入り口の時期だが、デベロッパたちのそういう関心の高まりとともに同団体のこの分野での活動も、今後より関心を招(よ)んでいく、とSkerrettは期待している。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))