EmbarcaderoのAppMethodはマルチデバイス開発プラットホームで, しかもネイティブオンリー

多様なアプリケーション開発/管理ツールを提供しているEmbarcadero Technologiesが今日(米国時間3/1)、マルチデバイスの開発プラットホームAppmethodを発表した。マルチデバイスといってもPCとMacとiOSとAndroidだけでなく、将来的にはウェアラブルも視野に入れている。このプラットホームが提供するIDEには、デザインツールやUI成分、クラウドへのコネクタ、オンプレミスのデータベースアクセスのほか、Kinvey、Parse、App42など今利用者の多いBaaS(backend as a service)プラットホームのサポートが含まれている。

この分野は最近競争が激しいが、既存のものと比べてAppmethodの重要な差別化要因は、もっぱらネイティブアプリケーションの構築を目指していることだ。Embarcaderoのマーケティング担当VP Steve Haneyによるとそれは、すでに社歴20年になる同社がつねに目指していた。彼曰く、“ネイティブはうちのDNAだよ”。それに、医療や金融などの分野の顧客が求めるレベルのセキュリティは、ネイティブでなければ提供できない、と同社は信じている。

Appmethodがデベロッパを惹きつける重要な要素は、同社によると、複数の対象プラットホームに対しコードベースが単一であることだ。新しいプラットホームのためにアプリケーションを作るためには、再コンパイルして結果を展開するだけだ。

また、RESTやSOAPによるAPIの統合が容易にできるし、リモートのデバッグや分析のためのツールもある。このほか豊富なツール集合のほかに、多様なコンポーネントAPIや、メジャーな企業向けデータベースやサービスにアクセスするためのミドルウェアもあるから、競合製品に比べて開発に要する時間は1/5ぐらいと短い。

Haneyが強調するのは、ふつうのアプリケーションならUIはすべてこのサービスが提供しているもので用が足せるし、アプリケーションの機能本体もこのサービスのエンタプライズ向け機能を組み合わせるだけで十分に実現できる点だ。ただし今後の多様なニーズに備えて同社は、サービスを極力オープンにしている。“コンポーネントライブラリやミドルウェアは、これからどんどん充実し多様化していくだろう。それとともに、デベロッパの選択の自由度も増す”、とHaneyは言っている。

このプラットホームのデモはSXSWで行い、一般公開は3月18日だ。ベータのローンチ時に完全にサポートされるのはObject PascalとC++で、Androidへのコンパイルはまだだ。C++のサポートがベータを終えるのは数か月後となる。

ベータ時からAppmethodを積極的に使っている企業の一つが、昨年、企業用のセキュアな仮想ブラウザをローンチしたSpikesだ。そのSpikesの技術担当VP Scott Bennettは、このIDEのデザイン機能がとくに気に入ったといい、また、Spikesはセキュリティとスピードを重視するのでネイティブコードが得られることは必須だ、と言う。しかも、ふつうなら、Spikesがサポートするすべてのプラットホームに対応して複数のコードベースが必要になるが、Appmethodならコードベースは一つだけだから、開発期間が相当短縮される。

Appmethodは、個人のデベロッパには無料で提供される予定だ(Androidへのコンパイルと最大5つのデバイスへの展開をサポート)。有料プランの料金は、小規模チームなら1年1デベロッパ1プラットホームにつき299ドル、エンタプライズプランでは999ドルとなる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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