「Androidの父」として知られるアンディ・ルービン氏率いるEssential Productsが、わずか1年ほどでスマートフォン販売の中止を検討していると報じられました。ルービン氏本人はスマートフォンからの撤退を明言していないものの「より大きな売上げが期待できる製品に集中するため、いくつかの製品をキャンセルすることもある」とツイートしています。
Essentialといえば2017年5月に発表した「PH-1」は、 “ノッチつき狭額ディスプレイ” を搭載したスマートフォンのはしりとも言え、チタンやセラミックを奢った高級機種としても消費者からの羨望を集めました。
しかし、その初期モデルにはタッチスクリーンの不具合があったり、また発売時の価格が699ドル(現在は499ドル)とAndroidスマホとしてはかなり高価だったこともあり、商業面で成功したかと言えば、意見の分かれるところかもしれません。伝えられるところでは、累計販売台数は少なくとも15万台とされます。
Bloombergによると、Essentialは現在、PH-1とカメラアクセサリー、特許ポートフォリオ、開発中とされるスマートホーム向けデバイスといった事業・資産から、会社全体の売却をも含めた議論をしている最中とのこと。そのためクレディ・スイス・グループと契約し、すでに少なくとも1社の買い手候補をみつけているとされます
またPH-1の後継モデルとなるスマートフォンの開発はすでに中止されたとBloombergは報告しています。ただしそれは、Essentialがスマートフォンから撤退しようとしているのではなく、製造担当をFoxconnから変更する検討のためとされています。
We always have multiple products in development at the same time and we embrace canceling some in favor of the ones we think will be bigger hits. We are putting all of our efforts towards our future, game-changing products, which include mobile and home products.
— Andy Rubin (@Arubin) 2018年5月24日
アンディ・ルービン氏本人は「われわれは常に複数の製品を同時に開発しています。そしてより大きな売上げにつながりそうな製品に集中するためには、いくつかの製品開発をキャンセルすることもあります。われわれはモバイルから家庭用までを含む、革新的な製品にすべての力を注いでいます」とEssentialの現状をツイートしたものの、会社の売却の可能性に触れる発言はしていません。
Engadget 日本版からの転載。