F5は12月20日、スタートアップShape Securityをおおよそ10億ドル(約1090億円)で買収するという豪華なプレゼントを手にした。ネットワーキング企業F5が手に入れた赤いリボンのついたものは、クレデンシャルスタッフィングのような自動のサイバー攻撃を阻止するのに役立つセキュリティプロダクトだ。今年はじめの記事で、ShapeのCTOであるShuman Ghosemajumder(シューマン・ゴセマジャンダー)氏は同社の事業について以下のように説明している。
当社は米国の大手銀行や大手航空会社のほとんど、またメジャーな小売、ホテルチェーン、政府機関などを保護する、企業を相手にした事業会社だ。我々は特にそうした企業を、消費者向けアプリケーション(ウェブサイトやモバイルアプリ)でのオートマティックな詐欺や乱用から保護している。
F5の会長でCEOのFrançois Locoh-Donou(フランソワ・ロコー・ドヌー)氏は、包括的な方法で顧客を守るという方法を描いている。「Shapeとともに、我々はエンドツーエンドのアプリケーション保護を提供する。これは、売上を上げ、ブランドを支えるアプリケーションが作られたときから顧客が利用するときに至るまで守ることを意味する」とロコー・ドヌー氏は声明文で述べた。
ShapeのCEOのDerek Smith氏は、同社がF5を顧客として抱えていたことを考えれば、F5が買い手となったのはすごい偶然というわけではない、と話した。買収により、2社は1つのプラットフォームとして協業することになる。
Crunchbaseデータによると、Shapeは2011年にサービスを開始し、1億8300万ドル(約200億円)を調達した。投資家にはKleiner Perkins、Tomorrow Partners、Norwest Venture Partners、Baseline Ventures、そしてC5 Capitalが名を連ねる。直近の資金調達は9月に行われ、同社は5100万ドル(約56億円)を調達し、バリュエーションは10億ドル(約1090億円)となった。
F5は今年、支出ムードだった。3月にはNGINXを6億7000万ドル(約730億円)で買収した。NGINXは社名を冠したオープンソースのウェブサーバーを展開している企業だ。2014年からそのときまで買収していなかったことは、記すに値するだろう。
セキュリティのM&Aにおいては大きな年だった。6月にセキュリティ会社4社が3日間のうちに売却された。ここには、 Insight Partnersによる7億8000万ドル(約850億円)でのRecorded Future買収、FireEyeによる2億5000万ドル(約270億円)でのVerodin買収が含まれれる。Palo Alto Networksはこの期間、2社を買収した。4億ドル(約440億円)でのTwistlock、6000〜7000万ドル(約66〜77億円)でのPureSecの買収だ。
F5によるShapeの買収は、もちろん当局の承認次第ではあるが、2020年半ばにクローズする見込みだ。ShapeのSmith氏はF5のマネジメントチームに加わり、Shapeの従業員はF5に組み込まれる。同社のサンタクララの本部はそのまま残る。
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(翻訳:Mizoguchi)