最近Facebookのコンテンツの中で、動画カテゴリーが急成長している。前四半期には、毎日40億回の動画再生があった。このソーシャルネットワークは更に動画視聴を促すことを計画している。
Facebookは動画の「Watch Later(後で見る)」ボタンの検証を静かに始めていたことを認めた。カーソルを動画の右上に当てた時やスクロールした時に現れる小さなタブのことだ。これを使うと、フィードに現れる動画を後で視聴するために保存することができる。
この新しい機能はFacebookでの動画視聴のユーザーエクスペリエンスをYouTubeに近付ける。YouTubeはFacebookにとって動画分野での最大のライバルだ。YouTubeの動画にも「Watch Later(後で見る)」機能がある。(右の画像を参照)
Facebookが実装した「保存」機能からちょうど一年経った今、「後で見る」機能の提供が開始された。保存機能はInstapaperのように、記事、場所、メディアへのリンクにタグを付けて後で見るための機能だ。このように保存された内容やリンクと同様、「後で見る」機能でタグを付けた動画は「保存済み」フォルダーにまとめられる。このフォルダーは、デスクトップでは画面の左コラムに、モバイルだと「More(その他)」メニューの中にある。
「後で見る」機能はFacebookがこれまで提供していた機能を更に一歩進めるもので、動画におけるこのオプションの利用方法を分かりやすくした形だ。「保存」のオプションは、これまで2箇所から利用することができた。右下のボタンと右上にあるドロップダウンメニューの中の2つだ。
ボタンは、動画ではない投稿にのみ表示されているようだ。ドロップダウンから動画を保存するのはユーザーにとって親切な設計であるとは言えないだろう。動画を保存したいと思った場合、右上にカーソルを移動し、クリックしてメニューを表示してから、更に保存するためにもう一回クリックしなければならない。(モバイルではまだこのようにしなければ保存できない。右の画像を参照)
このことから動画ではあまり保存機能は利用されなかったのではないかと私は考えている。
「後で見る」は、今までより断然見やすくなった。動画を見ようとカーソルを動画上で動かすと、はっきりとした白い文字が現れる。よりFacebookの体験に沿っていると言えるのは、何か面白いコンテンツを探してフィードをスクロールしている時にもボタンが動画上に現れることだ。
連動する統括的な保存機能と「後で見る」はユーザーがFacebookにより長い時間、滞在してもらうことを狙っている。そして、ユーザーが友人やフォローしている人がソーシャル・ネットワークに投稿したコンテンツと関わることを促している。
更に言えば、Facebookは動画ビジネスを成長させ、それに付随する豊富なメディアの広告で潤沢な利益を得ようと考えていることを示唆している。
動画広告は大手ブランドや多額の広告資金を引きつける材料だが、Facebookは動画広告の対応に時間がかかっている。
今ではどこも採用している15秒の自動再生広告を例にとってみても、Facebookに登場したのは2014年3月だった。COOのSheryl Sandbergは、最新の決算内容について、動画はまだ始まったばかりであるとし、広告はユーザーがFacebookを利用する方法と基本的には沿うことになると伝えた。
Facebookはユーザーの動画視聴体験を向上のための改善策の提供と共に、どのように動画が視聴されているかというデータも収集している。
同社は動画分野に投資をし続け、6月には機能の追加とアルゴリズムの更新を同日に行った。動画コストの詳細なデータを追加したPageのオーナー向け動画アナリティクス用のダッシュボードの提供を開始し、音も一緒に再生され、全画面やHDで見られている動画を優先するようにニュースフィードのアルゴリズムを変更した。
この文脈から「後で見る」ボタンはFacebookにとって2つの役割を果たすことが考えられる。一つは、動画の視聴者と動画広告を獲得につながる。そしてもう一つは、Facebookにその場で見るのではなく、保存して視聴したいと思うほど興味をそそる動画がどのような動画なのかという新しいデータをもたらすことだ。
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