Facebookは2015年第1四半期の決算で売上予測を上回ることができず、10期連続の予想突破の後は悲喜交々の四半期となった。売上35.4億ドルは、予測の35.6億ドルを下回ったが、1株当たり利益(EPS)は0.42ドルで予測の0.40ドルを越えた。
リリース文でFacebookは、ユーロのドルに対する弱さを含め変動の激しい外国為替を売上未達の理由に挙げ、この問題がなければ1.88億ドルの追加売上を計上して予測を上回っていたと語った。その場合の売上37.28億ドルは優に予測を越える。他にも同様にユーロを責める上場企業が数社あった。
現在Facebookのユーザー数は月間アクティブ14.4億人、対前四半期比3.6%増で、これはQ4の成長率3.18%より速く、同ソーシャルネットワークがまだ飽和に達していないことを示している。日計アクティブユーザー数は9.36億人だった。
モバイルでFacebookの月間ユーザーは12.5億人(5%増)に達し、日計ユーザーは7.98億人(7.1%増)だった。モバイルの月間成長率は前期の6.2%よりやや少ないが、より重要な日計ユーザーの成長率は前期の5.97%より高い。これは、Facebookが気まぐれなユーザーをあまり増やさず、ノンストップのソーシャルネットワーカーを数多く生み出していることを意味している。
現在5.81億人のユーザーがFacebookをモバイルのみで利用しており、前期比で10%増えているが、これはデスクトップやノートパソコンがあまり普及していない途上国で、Facebookが成長を続けていることを示すものだ。
Q1の広告売上は33.2億ドルだった。今やモバイルが広告売上の73%を占め、前期の69%からさらに増えている。Facebookの日計ビデオ視聴数は40億回と1月の30億回から急増した。一般ユーザービデオの視聴が増えるほど、Facebookは有償ビデオをスムーズにニュースフィードへと滑り込ませやすくなる。LiveRailの買収によるビデオ広告ターゲティングの高度化、およびメディアの鮮明化によって、Facebookはビデオ広告収入に大きな成長可能性を秘めている。
Facebookはその巨大な規模にもかかわらずユーザー成長を続け、自発的に提供された個人情報を広告ターゲティングに利用することによって、ホリデーシーズン後も好調なビジネスを維持している。2014年Q1と比べて、今四半期は42%も売上を伸ばした。モバイルではアプリインストール広告が特に大きい収入源であり、デベロッパーらは混み合ったアプリストア以外で自分のアプリを見つけてもらおうと必死だ。
ホリデーシーズンのQ4には、広告スペースの取り合いと大企業のキャンペーンがFacebookの売上を押し上げたため、売上減は予想外のことではない。ヨーロッパおよびその他地域の広告売上が11%以上減少したことが、全体売上低下の主要因と思われる。
一つ注意すべき数字が、Facebookの「その他地域」におけるユーザー当たり広告売上(ARPU)の減少であり、そこはユーザー数の成長を支えている場所だ。その他地域のARPUは、前期の0.92ドルから0.78ドルへと15.2%下がり、2014年Q3より少なかった。主要市場における新規ユーザー獲得の余地がなくなりつつあるFacebookにとって、売上成長を高く維持するためには、購買力に乏しい人々から広告売上を得る方法を見つける必要がある。
全体的に見てFacebookの決算は、売上未達に関わらず極めて健全である。成熟期に入った上場企業として、対前年売上成長比42%、日計ユーザー成長率17%は驚くべき数字だ。これは、Facebookの広告ターゲティングが途方もなく正確であることの証である。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)