Facebook疲れの人も本音が書ける、テキスト限定投稿サイト「LifeCLIPS」

上司や取引先とつながりすぎたせいでFacebookにプライベートなことが書きにくい。かといって、Twitterの140文字じゃ足りないし、ブログを開設するのも面倒くさい。そんな人のために作られた「LifeCLIPS」は、ブログでもSNSでもない、文章コンテンツに特化したプラットフォームだ。投稿できるのはテキスト限定、基本機能は「足あと」と「フォロー」のみと超シンプルだ。

「CLIP」と呼ばれる記事の作成画面は、真っ白な背景にタイトルと本文を書き込むスペースのみ。ボールドやイタリック、見出しなどの機能もなく、写真や動画も投稿できない。そのUIはどことなく、Bloggerを創業し、Twitterの共同創業者でもあるEvan Williamsが手がける「Medium」ライクでもある。

文章の公開範囲は全体公開・限定公開(著者がフォローしている人のみが読める)・非公開の3種類。ソーシャルでも見てほしいという人のために、FacebookとTwitterのシェアボタンも控え目ながら用意されている。

2014年1月にクローズドベータ版をリリースし、11月6日に正式ローンチ。これまでに約500人が約1400件のCLIP(記事)を投稿していて、1記事あたりの平均文字数は568文字。Facebookでよく見る「意識高い系」の投稿ではなく、セルフブランディングとは無縁の趣味やプライベートの話が多いのが特徴だという。

サービスを運営するiDEAKITT代表取締役の藤田遼平さんは、「その道の専門家ではなくても、セルフブランディング以外の目的で書かれる独自の価値観はコンテンツとして面白い」と話す。

「何を書いていいかわからない」という人には、特定のテーマ(お題)を設けることで書きやすくする。「チャンネル」と呼ばれるこの機能は、「子供の頃のヒーロー・ヒロイン」や「何度でも訪れたくなる街」といったお題をLifeCLIPSが用意。各チャンネルにはお題に沿った記事だけが集まる。将来的には、企業や団体が訴求したいテーマに沿ったチャンネルを作ることも、収益の1つとして見込んでいる。

かつての「mixi日記」の空気感をもう一度

藤田さんがLifeCLIPSでイメージしているのは「全盛期のmixi日記の空気感」だ。

「mixi日記は適度なつながりで本音を投稿できる場。かつて毎日のように投稿していた人に、『Facebookだと書きたいことも書けない?』と聞くと8割以上が同意すると思います。長い文章を書きたいニーズがあるのはmixi日記が証明済み。いいね!は100個もいらない、好きな人にだけ読んでもらえれば満足する、という人は多いはずです。その意味で、mixiと同様、誰に読まれたかがわかる足あと機能をつけています。」

ソーシャル疲れした人には、フォローし合える人数が150人までの「Path」9人限定の「Close」などのクローズドなSNSがある。まとまったコンテンツを気軽に投稿できるサービスとしては、ピースオブケイクの「note」やシックス・アパートの「Shortnote」があるし、Facebookでグループを作って文章を投稿すれば事足りるのかもしれない。この点について藤田さんは、「LifeCLIPSのベータユーザーに評価されているのはテキストのみの潔さ。写真や動画、音声など何でも投稿できるのが良しとされがちですが、文章しか書かない場所というのがわかりやすい」とテキストコンテンツの持つ可能性にかけている。


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TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。