FCCのサイバーセキュリティの方針: 民間主導を側面からガイドに徹する

今朝、FCC(連邦通信委員会)のTom Wheeler委員長がAmerican Enterprise Instituteの講演会で、 サイバーセキュリティに対する同委員会の取り組みについて、その概要を述べた。

Wheelerの基本的な考え方は、「サイバーセキュリティの脅威に対抗するための対策はFCCではなく民間が指導的役割を発揮する」、というものだ。FCCは政府機関として監視と指導役に徹し、市場に任せたやり方がネットワークの適切な保護に失敗したときのみ介入する。

FCCはどうやら、テクノロジの世界は変化が激しいので、通常は適切と考えられるような標準的な規制構造が有効でない、と考えているようだ。Wheelerは曰く、彼が唱導する民間主導の取り組みは、“従来の規制よりも対応が敏速”であり、“政策方針の実装とソリューションの開発に市場競争によるダイナミズムとイノベーションがもたらされる”はずだ、という。

彼の方針が効果を発揮するためには、民間企業とFCCなどの関連政府機関との協力が欠かせない。とりわけ指導的な役割を発揮しなければならないのは、FCCのPublic Safety and Homeland Security Bureau*の長、Dave Simpson提督だ。〔*: Public Safety and Homeland Security Bureau, 適切な訳語が確定していないよう。「国家安全保障省」という訳もあるが、ちょっと違うのではないか。〕

この新しい取り組みとそのための専門委員会の目標は、FCCの言葉を借りれば、リスクとその構造を同定し、リスクの像をより明瞭化する戦闘に適切な武器を提供し、その武器を展開し、それらの効果を見張ることである。

そしてわれわれ民間人は、あとからついていくのではなく、先頭に立つ。Wheelerの今回の発言は適切な概要描写であり、インターネットのオープン性とプライバシーの両方の保護を求めているが、最終的な結果が見えてくるのは遠い先のことだ。リスクは現にある。求められるのは、効果的かつ迅速な対応だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))
 


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TechCrunch Japan

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