[筆者: John Mannes]
【抄訳】
ついにやっと、MozillaのプロジェクトElectrolysisにゴーサインが出た。
Firefoxの、全世界何億というユーザーにマルチプロセスアーキテクチャを提供する長年のプロジェクトがリリース規準をクリアし、全面展開にこぎつけた。
今では、ほかのブラウザーの多くがマルチプロセスを採用して、タブやエクステンションを個別のプロセスとして動かしている。その結果、Web閲覧体験がきびきびとした快適な体験になる。一つのタブでトラブルが生じても、ブラウザー全体がダウンすることはなくなる。
今週初めにローンチしたFirefox 48ベータに、 Electrolysis(E10S)*が実装されている。一部のベータユーザーは2015年の12月からE10Sにアクセスしていたが、今週のローンチではさらに多数がテスト参加者になる。〔*: E10S, EとSのあいだに10文字。〕
たとえばGoogleのChromeは、タブとエクステンションを複数のプロセスに分割している:
今日はいい日だから、責めるのはやめよう。ぼくの場合プロセス数が75ぐらいで、タブに問題が起きた。〔通常の使用ではプロセス数20ぐらい。〕
対照的に、これまでのFirefoxは、たった一つのプロセスで動いている:
【中略】
8月2日にリリースされるFirefox 48にE10Sは実装されるが、ベータの人びととの比較を行いながら、段階的な一般公開になるので、全ユーザーへのサポートはやや遅れる。またMozillaの計画では、個々のタブやエクステンションをサンドボックス化して孤立隔離するセキュリティ措置がとられる。そうなると各プロセスに門番小屋があるような形になり、攻撃の影響はその小屋だけに限定される。
Mozillaのリリース規準をクリアしたE10Sは、今度は多くのユーザーベースの上での安定性や、ユーザーエンゲージメントの変化などがチームの注視対象になる。