Mozillaは米国時間10月22日、7月に導入して9月にデフォルトになったEnhanced Tracking Protection機能(強化版の追跡保護機能)が、これまでにウェブを閲覧しているユーザーを追跡しようとする何千もの企業の追跡リクエストを合計4500億件あまり阻止したと発表した。
4500億件はすごい数字だ。さらにMozillaは、Firefox v70でプライバシーに関する個人的なダッシュボードも提供することになった。それを見ると、Firefoxブラウザー上でサードパーティのCookieやソーシャルメディアのトラッカー、Fingerprintingツール(各種ユーザー情報を収集するツール)、暗号通貨の採掘ツールなどがどれだけ暗躍したかがわかる。
プライバシー保護はデフォルトで有効だから、ユーザーが自分で設定などをしなくていい。設定をいじって一部のサイトが壊れてもよければ、デフォルトを厳しいデフォルトにしたり、独自の設定にもできる。
そんな結果報告ダッシュボードがあることは華々しく宣伝されないが、初めてFirefoxを使うユーザーへのガイドには登場する。見つけるためには、URLバーにある盾のアイコンをクリックする。すると、今見ているサイトに関する情報と、ユーザーのプライバシーレポートへのリンクが出る。
そのレポートは必要最小限の項目だけで、しかも最近の1週間のみの数字だ。複数のマシンにわたって同期しないし、追跡しようとした企業の会社名などはわからない。でも、何社が追跡しようとしたかという数はわかる。
そのレポートページにはMozillaのFirefox Monitorへのリンクもある。それは、怪しいサイトやページにユーザーのメールアカウントが見つかったら警告する。また、パスワードの管理と同期化のサービスLockwiseへのリンクもある。Lockwiseには、パスワード作成機能や、Firefox Monitorとの統合機能もある。
Mozillaは、Chromeなどに対する自分の差別化要因がプライバシー保護であることを、よく知っている。Chromeを提供しているGoogleはネット広告が主な収入源だから、ユーザーのプライバシー保護に関しては独自のやり方を適用せざるをえない。
それに対してMozillaにはその苦労がない。例えば、Googleは広告収入を維持しながら、ユーザー追跡のためのインフラストラクチャを大きく変えようとしているが、Firefoxとその仲間たちはデフォルトで厳しい設定にするだけでいい。今後、追跡を気にするユーザーが多数派になるか、それはまだわからないが、でも今のところこれがFirefoxの明確なアドバンテージだ。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)