Foxconn、またの名Hon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)、またの名iPhoneを作っている会社は、デジタルシネマのパイオニアRED(Red Digital Cinema Camera Company)と共に、手頃な値段の8Kカメラを作っている、と発表した。会長のTerry Gouは台北で日経などの記者たちに、目標はカメラの価格とサイズを今の2/3にすることだ、と述べた。
今日では、スマートフォン上の小さなセンサーで4Kは撮れるから、小型8Kカメラに大手ハードウェア企業が注力していても、それほど意外ではない。それはかなりすぐに、各社スマートフォンのメインの機種に標準で載るだろう。
Gouは、その画質の価値や意義については何も言わない。その解像度で記録するセンサーが8Kシステムの中枢部だろうが、それだけではない。まず、良質な画像を捉えるためには、センサーを覆うガラス、すなわちレンズが重要だ。今の消費者製品のレンズには、それほどの精度はない。映画撮影用は、5桁以上の精度が必要だ。
まだほかにも、重要なことがある。ガラスと並んで重要なのが、非常に高速な画像プロセッサーと大量のストレージだ。8Kのビデオは、圧縮しても、1080pの画像の10倍から20倍のデータ量になる。さらに、色や編集の問題もある。そしてそれだけ苦労しても、ほとんどの人に、8Kと通常のHDの違いが分からないだろう。
しかしデジタルシネマは、カラオケをやってる友だちのビデオを撮ることほど単純ではない。安いカメラでまあまあの8Kを撮れるようになったら、画面にたくさんの天使が欲しい映画監督や、画素数が多いほど嬉しいVFXアーチストや、重い8Kカメラをかついで背中を痛めた撮影スタッフや、コストを下げたいプロデューサーにとって、すばらしいことだ。高価なカメラ1台よりは、まあまあのカメラ2台の方がありがたいケースもある(その逆もあるが)。
REDにある製造ラインは、プロの映画業界人でない人にとっては高すぎる(15000〜30000ドル)が、ArriやPanavisionほどめちゃ高くない8Kカメラを作れる。それを実際に作るために、今二社はジョイントベンチャーやパートナーシップを検討しているのだろう。それは、Foxconnの対他社差別化努力の一環でもある。
今REDにコンタクトしているので、情報が得られ次第この記事をアップデートしよう。
画像提供: RED