Gfreshが2000万ドルを調達、海産物の売買のかたちを変える

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中国では平均可処分所得の増加とともに、海産物の消費量が増えている。しかし生で食べられる魚や甲殻類については、中国の国境をまたいで売買・輸送するのが難しい。

さらに過剰漁獲が問題になっている中、活魚を輸送する際の複雑さや、衛生・関税に関する規制対応の結果、毎年何トンもの海産物が廃棄されている。

上海を拠点とするスタートアップのGfreshは、効率的に中国全体および国外へ生の海産物を売買・輸送できるように、モバイルマーケットプレイスを開発するとともに物流サービスを提供している。

Gfreshの共同ファウンダーAnthony Wanによれば、同社はシリーズAで約2000万ドル(1億人民元)を調達し、ラウンドにはAlibaba傘下の投資会社Riverhill Fundと、RenRenという中国で人気のSNSに早くから投資していたLegend Capitalが参加していた。

すでにこのディールは8月にクローズしていたが、本日Gfreshは、中国で行われたQingdao Seafood Expoにて、Alibabaの共同ファウンダーであるSimon Xie Shihuangを同社の取締役に迎えると発表した。

Regs Groupという、家具輸送サービスを提供している大手企業のスピンオフとして2年前に誕生したGfreshは、これまでに2億ドル分の活魚を卸してきた。

Gfresh is a mobile marketplace for sales of live seafood.

Gfreshは活魚を扱うモバイルマーケットプレイス

同社はAndroid・iOS向けアプリのほか、ウェブアプリも準備しているが、現状ほとんどのユーザーがAndroid端末からアクセスしているとWanは話す。

プラットフォームの販売者側では、在庫や産地、魚種、品質、価格が設定可能だ。さらに、販売者は全体の販売価格や需要に関するデータを確認でき、これをガイドとして値段を設定することができる。

そしてユーザーがGfresh経由で海産物を購入すると、同社はGpayのエスクロー口座にその料金をおさめる。

また、少量の注文であれば、Gfreshが複数の注文をまとめてひとつのコンテナで輸出の手配を行い、それぞれの送り先に応じた、衛生基準や関税に関する書類の準備まで行うようになっている。

さらに商品到着時は、Gfreshが所定の港や空港まで冷蔵車でピックアップに向かう。

その後Gfreshは注文の品を卸業者のもとまで届け、そこでは検査官が受け取り時にビデオ撮影をするようになっている。これには、箱の中のロブスターが何匹が死んでいたり、高級食材である浮き袋の箱に十分な海水が入っていなかったりといった問題が発生した際に証拠を残しておく意味がある。

商品に何か問題があれば、Gfreshは販売額を割り引きし、残りの金額を事前に合意した条件に従って販売者へ支払う。Gfreshは将来的に、購入者が携帯電話やタブレットを使って、自分たちで品質管理のためのビデオを撮影するようになると考えている。

このようなビデオ撮影やエスクロー口座の使用は、世界中を飛び回って見込み顧客に会うための予算や詐欺を防ぐ手立てを持っていない、小規模もしくは職人気質の生産者にとっては大きな助けとなる。

またGfreshがバッチ輸送を行っていることから、小規模生産者は、輸出業者の提示する価格に屈することなく、限られた量の海産物を販売することができる。

「マーケットプレイスが、ホテルの予約や靴の購入のかたちを既に変えている一方で、私たちがGfreshを設立するまで、水産業界ではまだ握手とFAXに頼って取引が行われていました」とWanは説明する。

Gfresh cofounder Anthony Wan.

Gfreshの共同ファウンダーAnthony Wan

海産物の生産ハブとなっているオーストラリアのオークランドやシドニー、カナダのバンクーバーなどにオフィスを構えるGfreshは、シリーズAでの調達資金を、増員や新拠点の設立のほか、新たな”リバースオークション”機能のローンチに向けて使っていく予定だ。

生ものの在庫を抱える水産業では、シアトルからシドニーを含む主要な市場において、リバースオークションが1番人気の競りの形だとWanは話す。

長期的な計画として、Gfreshは同社のサービスとアプリをアジア以外の地域にも展開するとともに、例えば(生きていなくても)新鮮な魚やフルーツのように、傷みやすくて輸送の難しい活魚以外の商品を取り扱っていきたいと考えている。

 

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

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