Googleはバーチャルリアリティーに本腰を入れるべく、「複数の」消費者向けデバイスの開発を計画していることが、同社サイトのVR職求人広告からわかった。
現在Googleの消費者向けVR製品はGoogle Cardboardのみで、これは安価なヘッドセットにスマートフォンを組み合わせることで、消費者が簡単なシステムで原始的なバーチャルリアリティーを体験できるものだ。このほどGoogleは、スマートフォン向け最小限機能ビュアー以上のハードウェアに取り組んでいるようだ。
GoogleのVRに対する野望は、先週製品マネジメント担当VPのClay Bavorが、他のGoogle製品から離れ、同社のVR製品の管理に集中するというニュースからも見てとれる。
RoadtoVRが最初に見つけた、その新たな求人広告は、GoogleのVRの将来計画について様々なヒントをもたらしている。この掲示(VR担当ハードウェアエンジニアリング、リードマネジャー)でGoogleは、「複数の」消費者向け電子機器を開発するチームを率いると共に、「高性能なバッテリー駆動型の没頭的消費者電子製品のシステム統合」を監督する人物を求めている。
職務は、消費者向けハードウェア製品のハードウェアエンジニアリング技術責任者として、当社の拡大し続ける製品ポートフォリオのデザインと実施を推進すること。また複数の消費者向け電子機器を開発し、当社の製品規模に沿って適切なチームを編成すること。
VR向け PCBレイアウトエンジニアの求人説明には、「実際の製品の開発および維持」と書かれ、さらにこれらのデバイスに関するハードウェアチーム全体のミッションが説明されている。
Googleは消費者電子ハードウェア製品をカスタムデザインする。ハードウェアエンジニアリングチームは、この最先端機器を信頼性が高く堅固なものにすることに尽力する。ハードウェアチームのCAD/PCBレイアウトエンジニアとして、応募者は急速なペースで変化する消費者向け機器の基板開発を担当する。
現在Googleは、同社のバーチャルリアリティーへの取り組みに的を絞ったハードウェアおよびソフトウェアの要員を10人以上募集している。
指摘しておくべき重要な点は、GoogleがMagic Leapに投じた巨額の投資を考えた時、これらすべてがどう位置づけられるかである。拡張現実ウェアラブルを専門とする同社は、今何に取りかかっているかを明らかにしていないが(下に貼った非常にミステリアスなビデオ以外)、Googleはそのテクノロジーに大きな興味を示している。Googleは、2014年10月に5.42億ドルという同社の巨額なシリーズBラウンドをリードした。
Magic LeapのAR技術は、[Microsoftの]Hololensの類と思われるが、Googleが同時にこれだけの金額をこの会社に投資することは興味深い。Magic Leapがさらに大規模な8.27億ドルの調達ラウンドを行ったと伝えられることを踏まえればなおさらだ。
消費者向けVR専用デバイスを製造することは、これまでGoogleが主としてVRプラットフォーム Jump等、他社製VRコンテンツを広めることに注力していたことを考えると、大きな変化だ。果たしてそれがSamsung Gear VRスタイルの、数数あるAndroid端末で利用できるようになるものなのか、専用ヘッドマウントディスプレイになるのか、あるいはヘッドセットですらないのか、未だに不明である。
新デバイスがバッテリー駆動かもしれない、という噂は確かに興味深く、Googleが、OculusやSony、HTCらと同等の体験を提供する専用ヘッドマウントディスプレイを作っているかもしれない、という説を打ち消すものだ。
Googleは即座にコメントをしていない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)