視聴者に対する大きな成功にもかかわらず、Googleは広告主たちに対して、そのビデオプラットフォームが、ターゲットユーザーに到達するための最高の場所であると説得することに、ずっと苦労を重ねてきた。このたびGoogleは、広告主と代理店に対して、より良いツールを提供することを約束した。リーチを計測し、特定の視聴者に対しての絞り込みを行うためのツールだ。モバイルに力点が置かれる。
Googleが本日(米国時間20日)の発表で指摘したように、YouTube再生の50パーセントは、現在モバイルから行われている。広告主からすれば、これはデスクトップでは役に立っていた多くのトラッキング技術が、モバイルに移行することで役に立たなくなるということを意味している(とはいえ、あなたがこうした追跡を好まないユーザーならば、これはむしろ喜ばしいことだが)。今年以降、GoogleはYouTubeにおけるクッキーとピクセル(どちらもユーザー追跡技術である)の利用を制限していく計画だ。
「ピクセルやクッキーなどの技術は、広いエコシステムではまだ意味を持っているのですが、ほどんどが単一スクリーンのために作られたものです。ピクセルも匿名クッキーも、ユーザーがますますコンテンツをモバイルやリビングでYouTubeでみるようになることを想定して作られていません」と、YouTubeのプロダクトマネジメント担当ディレクターである Diya Jollyは書いている。「これは一貫性のない計測となって、スクリーンに関連度の低い広告が表示される可能性があります。人びとにかつて見ていたような広告やデータを表示することがより難しくなるのです」。
Googleはまた「広告主に洞察を与え、GoogleとYouTube全体のプライバシーとセキュリティを向上させる最先端の技術となる」新たな測定ソリューションを開発していると述べている。このソリューションもまた、ユーザーがキャンペーンのどこを見ているのか、そしてより重要なことだが、そのキャンペーンがどのような効果を挙げているのかを、広告主にとってわかりやすく示すことに焦点を当てている。Googleはこの新しいソリューションの開発に際しては、comScore、DoubleVerify、IAS、MOAT、そしてNielsenなどと協力する予定だと述べている。
Googleはまた、新技術は広告主たちが適切な視聴者にリーチすることをより容易にすると述べている。これは「利用者自身のGoogleアカウントに関連している(デモグラフィック情報や過去の検索履歴などの)アクティビティ情報が、YouTubeの上で見る広告に影響を与える」からだ。もしあなたが広告主であるならば、これは良い知らせだ。特にGoogleはもうすぐ小売業者たちに、Googleが持つ顧客情報の利用を許すようになる予定だからだ。これによりYouTube上で「価値ある購買者」をターゲットにすることができる。Googleはこれらの新サービスは、ユーザーのプライバシーを保護するとしているが、これはプライバシー擁護派たちが、いち早く食いつくネタになりそうである。
Googleはユーザーに対して、クロスプラットフォーム広告の見え方に対する、ある程度のコントロールを許すようにする。例えば、全プラットフォームを通して、特定の広告主が表示されないようにするといったものだ(例えば、特定の製品をもう買ったにも関わらず、ウェブの上を変わらず同じ広告で追い回されるようなときに有効だ、特に広告ブロッカーを使っていなかったような場合には)。
おそらく、大部分のユーザーがこのオプションについて知ることはないだろう。なお個人的には、広告を避けるためにYouTube Redのサブスクリプションを始めたばかりだ (どうでもよいボーナスコンテンツのためではない)。
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(翻訳:Sako)