Googleは本日(米国時間10/21)のMaps Engine Proの発表と並行して、Google Maps Engineの無料バージョンの提供を開始する。提供される機能はProと完全に同じだが、データアクセスの量が数テラバイトではなく‘数十メガバイト’となる。
またこの無料バージョンのユーザは、GoogleがPublic Data Programとして提供する地図データを利用できるので、自前で(苦労して)データ集合を整備する必要がない。
たとえば国や地方自治体がユーザなら、選挙区や交通網、各種公共事業の地図などを作り、それらをWeb上で安定的に配布し、Googleなどで検索可能にできる。GoogleがGoogle Mapsで蓄積した高度な地図技術を、自己の目的のために利用できるのだ。
‘数十メガバイト’というデータ量の制限に見合う目的なら、どんな企業でも団体でもこの無料サービスを利用できるが、ただし、それらの地図が公開されることが条件だ。それによって地図を一般的に検索可能にし、Googleの地図プロダクトの一層の充実、という外見を与える。地図関連でGoogleがこれまでに集めたデータの量は膨大だが、それがさらに、ユーザ企業や団体の手によって一層価値あるデータ集合になる。
Googleの今日の発表の中には、ESRIやQGISのようなよく使われているGIS(地理情報システム)ソフトとの統合もある。空間的視覚化技術の最大手Safe Softwareともパートナーした。同社のデータ変換ツールFMEが、Google Maps Engineに完全に統合されることになる。
Maps EngineはFedEx、Amtrak、NOAAなどの企業・団体が利用しているが、Googleは最近Maps EngineのAPIを公開したので、Googleの地図作成層の上に、さらに各種のデータ層をインポートできる。Google Maps Engineは2年前にローンチして、1年前から商用利用もできるようになった。
今回の無料バージョンは、大規模な利用のできる有料のProバージョンへの呼び水のような意味合いもある。制作する地図はすべて公開されるので、これら企業や団体のデータによってGoogleの地図サービスのデータがさらに充実する、というGoogleにとってのメリットもある。いずれにしてもユーザにとっては、自前ではほとんど無理とも言える多彩で堅固なデジタル地図作成業務を、Googleのリソースの上で比較的簡単にできるメリットが、きわめて大きい。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))