Google(グーグル)は米国時間4月21日、ビデオ会議サービス「Google Meet(グーグル・ミート)」のメジャーアップデートを発表した。デスクトップユーザー向けにはいくつかユーザーインターフェース(UI)の調整が行われた他、1人ではなく複数の発言者をピン留めする機能や、AIを活用した明るさ自動調整、オートズーム、低速なモバイルネットワークでのデータ使用量を制限するデータセーバー機能など、多くの新機能が追加されている。
筆者のようにビデオ会議にうんざりしている人は多いに違いない(しばしばカメラをオフにしているくらいだ)。しかし現実には、好むと好まざるとにかかわらず、このようなスタイルの会議は今後も続いていくだろう。
Googleは、このアップデートがビデオ会議を「より没入的で、包括的で、生産的」にすると述べている。UIの変更は抜本的なものではないが、多くの操作や機能をメニューの中に隠すのではなく、指の届く場所に置くようになった。従来のシステムではメインメニューバーと上部の小さなメニューに分散されていた機能も、最下段に集約された。
自分の姿を映したくない会議参加者は、自分のビデオフィードを最小化したり、完全に隠したりすることもできる。あるいは自分の姿を常に横目でチェックしたければ、自分のフィードの位置をグリッドに固定することも可能だ。Googleは近日中にすべてのMeetの通話で自分の映像をオフにできるようにすることも計画しているという。
ピン留めに関しては、特に便利だと思われる機能は、複数の発言者(またはグループ)の映像を同時に強調表示する機能だ。この新しいマルチピン機能を使えば、例えば、最もアクティブな数名のチャット参加者に、常に注目し続けることが容易になる。この機能は数カ月以内に導入される予定だ。
さらに数カ月後には、大きなサイズで表示された映像の中に、よりおもしろく(見方によっては鬱陶しく)見えるものが現れるかもしれない。Googleは今後、ビデオの背景を置き換える機能の導入も予定している(まだすぐには採用されない)からだ。最初に用意される背景は「教室」「パーティー」「森」の3種類だけだが、後からさらに追加されるという。ただし、自分で用意した映像を背景に使うことは、当面はできないようだ。
その他の新機能としては、周囲が暗かったり、あるいは強い照明の前に座っている場合にも、自動的に画面の明るさを調整して自分の姿がよく見えるようにする機能が追加される。これは数週間以内に利用可能になる予定だ。また、AIを活用して自動的にズームし、自分の姿を画面の中央に配置する「Autozoom(オートズーム)」機能も導入されるが、こちらはGoogle Workspace(グーグル・ワークスペース)の有料会員向けに、今後数カ月以内に提供される。
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)