長年スクラップが大好きな母は、毎年の誕生日、ハロウィン、ダンス発表会、初めて自転車に乗れた日、赤ちゃんが泥を食べるところなど、私と弟のあらゆる場面を写真に残してきた。数年前彼女は、この何百枚もの写真を手動でスキャンして、自分のパソコンのフォルダーにきれいに整理した。
Dropboxを使うよう彼女を説得するのには永遠の時間を要した。ついに実現したものの、見た目はこんな具合だ。
彼女が簡単にこれをやるには、テクノロジーがまだ追いついていないことがお分かりだろう。
新しいスマートフォンアプリ、Heirloomはこれを変えようとしている。古い写真をカメラで撮ると、アプリがクラウド上のプライベートSNSにアップロードして、友達や家族と共有できようにする。Trunxも同じようなアイデアで写真の整理と共有ができるが、Heirloomの特徴はスキャンにある。
これはファミリービジネスでもある。EricとEvan Owski兄弟がこのアイデアを思いついたのは、Ericの妻が、ママの使える良いスクラップブックアプリがないと不満を漏らしたのがきっかけだった。元TuenInのプログラマーだったEvanがコードを書いた。EricはHeirloomのCEOとしてマーケティングを担当している。
「Throwback Thursday は今ウェブで流行している週に一度の儀式だ。これは、過去の大切な瞬間を思い出したいという人間の欲望を物語っていると私たちは信じている」とEricは言った。「しかし、多くの人々にとって昔の写真をデジタル化することは面倒で、結果も高品質のデジタル画像とはならない」
ところでこれは、写真をiPhoneカメラで撮って、あらかじめDropboxに作っておいたたフォトアルバムフォルダーにアップロードするのと何が違うのかと、みなさんも思うだろう。
「プリントした写真を撮影する時、きれいな結果を得ようと思うと、向きを揃えたりトリミングしたりするのに多大な時間がかかる」とEvanは説明する。「私たちのアプリは、写真が曲がっていても回転していても撮影することができる。自動的に縁を見つけ出して、歪みを補正し若干のカラー修正も行う」
Throwback Thursdayは、ソーシャルメディアで起きている現象だが、誰もが丸ぽちゃの13歳の自分という貴重な瞬間を世界中で共有したいと思うわけではない。だからHeirloomは、仲間うちだけのより親密なネットワークを導入した。
Tencent、およびEduardo Vivas (COO at Bright, Eric’s previous employer)が率いるエンジェル投資家らが、EvanとEricに会社の規模拡大のために100万ドルのシード資金を提供した。
アプリは、App Store およびGoogle Playの両方でダウンロードできる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)