Hmcommと岡本工業がAI異音検知プラットフォームFAST-D応用し多軸自動旋盤のドリル破損を音で検知するシステム開発

Hmcommと岡本工業がAI異音検知FAST-Dを応用し多軸自動旋盤のドリル破損を音で検知するシステム開発

産業技術総合研究所(産総研)発スタートアップとして音声処理技術の研究開発を行うHmcomm(エイチエムコム)は10月20日、ビル配管工事や金属旋削加工などを手がける岡本工業と共同で、精密金属加工に使用する多軸自動旋盤のドリルの破損を、AI異音検知プラットフォーム「FAST-D」で検知するシステムの自社内導入を目的とした開発と、金属加工業者向け販売を目指したセンシングシステム開発の開始を発表した。

これまで岡本工業では、精密金属加工事業で使用する多軸自動旋盤機のドリルの破損を、振動や画像で検知する試みを重ねてきたが、なかなかうまくいかなかった。そこで、Hmcommのノイズ処理技術や音響処理技術を使ったところ、初めて有用なデータが取得できたという。そこで使用された「FAST-D」は、AI異音検知の学習モデルの作成や管理が自動的に行えるHmcommのクラウドサービス。Hmcommの知見をもとにした機械学習アルゴリズムにより、短期間に異音検知を現場導入できるというものだ。

Hmcommと岡本工業がAI異音検知FAST-Dを応用し多軸自動旋盤のドリル破損を音で検知するシステム開発

今後はこのシステムにIoTを組み合わせ、ドリルの破損が検知されるとPLC経由で停止信号を発して速やかに機械を停止させる仕組みを構築し、2022年春には製品化して販売することを目指し、実証実験を行うとしている。

AI異音検知とは、機械やモノ、生物が正常稼働している場合の音と、異常な状態になっている場合の発する音を機械学習させることで、安定的なモニタリング、異常発見、予兆検知などに役立てる技術。人が音を聞いて正常か異常かを判断する場合は、判断基準があいまいでバラツキが発生するケースや、熟練の技が必要になるなどの課題があるが、異音検知により人手によらない定量的な分析が可能となる。

音による異音検知は、工場インフラの異常検知、機械音検知、非破壊検査をはじめ、足音や防犯、ヒトの発する音や動物の鳴き声など、幅広い業種・業態で利用可能という。

Hmcommと岡本工業がAI異音検知FAST-Dを応用し多軸自動旋盤のドリル破損を音で検知するシステム開発

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TechCrunch Japan

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