HTML5中心のモバイルアプリ開発プラットホームAppGyverが$2.5Mを調達して一層の充実を目指す

主にHTML5を使ってモバイルアプリを手早く作りましょう、という開発プラットホームAppGyverが、Initial Capital率いる投資ラウンドにより250万ドルを調達した。これに、フィンランドのVC Open Ocean Capitalも参加した。Initial Capitalはこれまで、Supercellなどの初期段階にも投資している。Open Ocean CapitalはMySQLのファウンダたちが作ったVCだ。

AppGyverのCEO Marko Lehtimakiが今週の初めに語ったところによると、同社は最初の単純なプロトタイピングアプリから、昨年は本格的な開発ツールSteroids.jsのローンチにこぎつけ、それ以降、急速に成長してきた。最初数千人程度だったユーザも、今では約25000名に増加している。このペースが今後も続けば、今年中にユーザ数10万に達する見込みだ。このプラットホーム上でこれまでに作られたアプリは約10000で、その約10%はアプリストアから提供されたり、あるいは企業が社内的に利用している。

このようにプラットホームとして安定してきたため、この勢いに乗ってより成長すべく、資金の調達を決心した。Lehtimakiによると、このサービスのコンセプトをInitial Capitalはすぐに分かってくれたそうだ。このVCはこれまで多くのゲーム企業に投資しており、その多くがHTML5によるゲーム開発の経験がある。Initial Capitalはしかも、ゲーム以外の分野のディスラプティブなスタートアップを今後の投資対象として探していた。

それと同時にAppGyverは、企業ユーザ方面に強いVCとのご縁も求めていたので、それがOpen Oceanとの出会いへ導いた。現時点では企業市場にそれほど注力してはいないが、今年後半には取り組みを開始したい、とLehtimakiは言っている。そのためにはまず、企業ユーザが求めるセキュリティや認証機能の部分を完備する必要がある、と考えている。

企業顧客の開拓のほかに、AppGyverが今回の資金の用途として考えているのはデベロッパの増員だ(昨年の8月から今日までですでに8名から20名に増えている)。また、プラットホーム本体も拡張したい。デベロッパたちはAppGyverでPhoneGapプラグインの多くを使えるが、その中にはSteroids.jsとの相性が良くないものもある。したがって、同社自身がメンテしサポートするライブラリを構築して、この問題を克服することが、焦眉の課題である。またそれと並行して、OAuthの機能やバックグラウンドでのGPSアクセスなどをサポートする自社開発のプラグインの制作も進めている。

さらに、デベロッパが実動アプリのプロトタイプを迅速に作れるための、ビジュアルの充実したインタフェイス、Composerの提供も、すでに予定に載っている。

そしてAppGyverが志向する今後の姿は、ParseのようなPaaSだ。デベロッパにバックエンドサービスを提供する気はない(BaaSにはならない)。むしろ同社が志向するのは、そういったサービスを使ってアプリを作るデベロッパのための、快適で使いやすいミドルウェアだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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