地表は海が70%、陸地が30%だ。しかし、よく言われるように、私たちは波の下にあるものよりも、月の表面の方をよく知っている。これまで調べられているのは、世界の海洋のわずか5%だ。世界の生物とエネルギーと資源の95%が海にあるにもかかわらず。
これまでは、AUV(autonomous underwater vehicle, 自律型無人潜水機)と呼ばれる魚雷のような乗り物にたくさんの電子機器を乗せて海を探査してきた。広大な海を、たった一機で調べるのだ。これらのAUVは主に、石油の流出などの環境問題をモニタするために使われているが、相当高価であり、あまりインテリジェンスのない鈍重な装置だ。
むしろ、自律能力のある小さな水中ドローンの大群に、常時海中を泳がせておく、という方法はどうだろう。それらはつねに海の中を泳ぎまわり、休むことなく自分の職務をこなす。いわばそれは、海洋のための物のインターネット(IoT)だ。
MITで博士号を取った学生のSampriti Bhattacharyyaが作った、Hydroswarmと呼ばれるプロジェクトがある。それは今日(米国時間9/23)のTechCrunch Disrupt SF 2015で、Hardware Alleyで選ばれ、ステージに登場した。
Hydroswarmは、水中の探査に使用する、環境適応能力のある、スマートな(==電脳能力のある)ドローンプラットホームで、個々のドローンはEveという愛称で呼ばれる。‘プラットホーム’と呼ぶのは、そのアプリケーションも含め、多様な目的に合わせてカスタムの構成ができるからで、複数のEveを水中に放って必要なデータを集めさせる。水中のAirDogのように、ダイバーと一緒に泳ぐ消費者製品として楽しむこともできる。彼らはときどき水面に顔を出して、データをクラウドへアップロードする。
Hydroswarm + Eveの大規模な展開は、石油やガス業界、環境モニタリング、防衛産業などの分野で多くの需要があるだろう。その市場規模は数十億ドルと大きい。
しかし目下Hydroswarmは、消費者バージョンでテストを行い、その後産業用や商用バージョンを手がけていく予定だ。
このスタートアップはまだ生まれたてだが、info@hydroswarm.comでコンタクトできる。