IBMがセキュリティやDDoS防御でCloudflareとパートナー、サービスの内製を選ばず

最近の数年間でCloudflareは、データセンターの立地とパートナーシップでグローバルなネットワークを築き、同社のDDoS防御やセキュリティツール、Webサイトの加速、などのサービスを拡大してきた。これだけの専門的能力は簡単に得られるものではないので、IBMのような巨大グローバル企業でさえ今日(米国時間3/13)、内製よりもむしろCloudflareとのパートナーシップにより、これらのサービスを顧客に提供していく、と発表したのも、不思議ではないかもしれない。

IBMが新たに始めたCloud Internet Servicesは今日発表され、サイトの保護と高速化のためのCloudflareのサービスをすべて提供する。IBMはこの発表を、来週行われるTHINKカンファレンスの前、というタイミングで行っているのだ。

IBMのWatsonとクラウドを担当するCTO Bryson Koehlerによると、IBM Cloudのユーザーは、一回のクリックでこれらの機能をonにできる。“Cloudflareは、ワールドクラスのツールセットを作るすごい仕事をしている。それらは使いやすいだけでなく、うちのチームが使っているのと同じスタンダードに従っている”、と彼は語る。“今日のように、変化が早くてサービスがつねに進化しているときには、いつも内製かパートナーかという決定を迫られる。そしてキャッシングやロードバランシングでは、彼らがうちとのパートナーシップにふさわしい仕事を成し遂げている”。

このパートナーシップに加えてIBMは今日、二つの新しいセキュリティ機能を発表した: それはIBM Cloud Security Advisorと、IBM Cloud App IDの新しい機能だ。Cloud Security Advisorは、デベロッパーとオペレーションの両チームに、彼らのセキュリティ態勢への、これまでよりも多くて深いインサイトを提供する。その中には、Webサーバーのセキュリティ証明がそろそろ期限切れだというベーシックなアラートがあったり、あるいはアプリケーションとデータに影響を与えるIBMのグローバルネットワーク上に兆候のある脅威に関する警報だったりする。このツールは十分高度に作りこまれているので、たとえば特定の規制に従ってデータを管理しなければならないデベロッパーが、うかつにPCIやHIPAA準拠のサービスからデータをロードし、それを非準拠のサービスに書き出す、といった事故を未然に防ぐことができる。

Cloud Security Advisorはまだ実験段階のプロダクトだが、必要なすべてのデータを単一のダッシュボード上に表示する。

App IDの方は、正しい認証を経たユーザーだけが、アプリケーションやデータにアクセスできるようにする。とくに新しい機能ではないが、IBMはこのサービスを今後、コンテナやIBM Cloud Container Serviceにも適用する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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