iPhone 7と7 Plusが先週ローンチされ、最も話題になった機能のひとつが(複数の)カメラだ。
特にiPhone 7 Plusには、広角と望遠という2つのカメラが搭載されている。そのため、iPhone 7 Plusは光学2倍ズームに対応しており、ユーザーはデジタルズームにつきものの歪みに苦しむことなく、被写体に近づいて撮影することができるようになったのだ。
光学ズームは、どんなカメラマンにとっても嬉しい機能である一方、2倍ズームによって何が変わるかというのは、実際に撮った写真を見比べるまではなかなか実感しづらいものだ。
以前にも紹介した、iPhoneのみで撮影を行うプロカメラマンのBrad Manginは、先週末にカリフォルニア州ソノマ(Sonoma)で行われたIndyCarを仕事で訪れ、iPhone 7 Plusで撮影を行った。新たに搭載された望遠レンズを試すことができた彼は、特に違いの表れた写真をいくつか共有してくれた。
例えば、上の2枚の写真で、Bradはトラック上の車を含む風景写真を撮影した。左側の写真は、光学2倍ズームの望遠レンズで撮影され、右側のもう一枚は通常の広角レンズで撮られたものだ。
右側の広角レンズで撮られた写真では、車が小さすぎるばかりか、トラックのサインやレーダーボードはほぼ解読不可能で、Bradの影さえ写り込んでしまっている。デジタルズームを使うこともできたかもしれないが、そうすれば画質が落ちてしまっていただろう。
別の作例が上の2枚だ。この写真は、カメラマンが動くことのできない場所で撮影されたとBradは説明する。右側の写真も悪くないが、トロフィー(そしてトロフィー型のパン!)のディテールを確認するには広角過ぎる。そして左側の写真に見られる通り、光学2倍ズームを使うことで、Bradは、物理的に被写体に近づくことができない状況でも、求めていた写真を撮影することができた。Bradは最近の撮影でiPhoneしか使っていないため、iPhone 7 Plusの望遠レンズがなければ、この写真を撮るチャンスを逃すしかなかったのだ。
もちろん、サードパーティ製のiPhone用レンズを使っても、このような写真を撮影することができる。実際Bradは、TechCrunchでも紹介した、新しいZEISSのiPhone用レンズを使うことも検討したと語っていた。しかし、専用のiPhoneケースの存在や、使っていないときでもレンズを支える必要があるといった欠点のせいで、外付けレンズを彼が利用することはなかった。結局Bradは、普通のカメラマンが引きずりまわらなければならない、動きに制限の生まれる装備を全て忘れ去るために、iPhoneオンリーのカメラマンになったのだ。
さらにBradは、望遠レンズの強みを利用せずとも素晴らしい写真を、何枚かiPhone 7で撮ることができた。
記事内の全ての写真は、撮影・編集(SnapseedとInstagramを使用)共にiPhone 7 Plus上で行われた。以前Bradが話していた通り、撮影に携帯電話を使うことで、被写体にカメラを意識させることなく近づくことができる。往々にして、大きなカメラを持った人が近づくと、人は普段通りの動きができなくなるものだ。
もちろんIndyCarには、昔ながらのデジタル一眼レフカメラを装備したカメラマンもいるが、Bradの写真はユニークで、そこからはイベントの舞台裏を垣間見ることができる。彼は、このようなスタイルを、「イベントの縁の端」を撮影した写真と呼んでいる。つまり彼は、スポーツイベントの参加者(もしくはカメラマンまでも)が注意を払うことのない、面白い瞬間を捉えようとしているのだ。
[原文へ]
(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)