IoT投資会社としてのXiaomiの投資先が300社超え

安価なスマートフォンとコスパの良いガジェットで有名な中国のXiaomi(シャオミ)の5月21日の開示書類で、同社の投資先が3月末時点で300社を超え、その簿価が323億元(約4900億円)であること、第1四半期だけで投資売却益(純額)を2億2590万元(約34億円)計上したことが明らかになった。

エレクトロニクスの巨人である同社は、モノのインターネット、つまりIoTのエコシステムを構築するという野心に忠実に動いてきた。同社の投資の大部分は、提供する製品の幅を拡げることであろうと、デバイスを補完するコンテンツとサービスのライブラリを構築することであろうと、戦略的シナジー創出を目的としている。問題は、Xiaomiのハードウェアの品ぞろえが、同社が求めるタイプのサービス収入を生み出しているかどうかだ。

サービスのマネタイズ

Xiaomiの創業者である雷軍(Lei Jun)氏は2013年に、5年間でハードウェア企業100社に投資すると宣言した。狙いは、安価で競争力のあるデバイスによって広大なネットワークを築く過程で獲得した多数のユーザーに、フィンテック製品やビデオゲームなどのインターネットサービスを売り込むことだ。

そのためXiaomiは製品のマージンを非常に薄くしており、投資先やサプライヤーをがっかりさせることもある。売上のほとんどをスマートフォンやその他のハードウェアデバイスからを得ており、そのビジョンはまだ具体化されていない。ただ、第1四半期のサービス収入は売上高合計の12%にすぎないが、前年比では38.6%増加した。

今やXiaomiはあらゆる種類の日用品を販売するデパートに進化し、電子機器にとどまらず、文具、台所用品、衣料品、食品など、Mujiで見るようなものまでカバーするようになった。Xiaomiはスマートフォンなどの特定の製品は自社で製造し、その他の製品は資本提携先や単に販売契約を結ぶ第三者との利益分配モデルを介して調達している。

資本のゲーム

Xiaomiの販売網へ参加すべきか否か、多くの消費者製品メーカーが態度を決めてかねている。同社の巨大なeコマースチャネルや実店舗のネットワークを使えば世界中の何百万もの消費者にアプローチできるものの、利益の圧迫とXiaomiブランドへの過度の依存が心配だ。

そのため、Xiaomiを通じて販売する多くの企業も独自の製品ラインナップを用意している。XiaomiのMi Bandスマートウォッチを供給するナスダック上場のHuamiには、Fitbitに相当する独自のAmazfitウェアラブルがある。中国版ナスダックのSTAR Marketに上場している自動掃除機メーカーのRobotockは、XiaomiのMi Home掃除機を1年間製造した後に自社ブランドを展開し始めた。

新型コロナウイルスによる景気低迷が迫り来る中、キャッシュフローの流動性確保のためXiaomiや他の投資家に向かう製造業者がますます増える可能性がある。

またXiaomiは決算開示書類で、主要サプライヤーであるZimiの株式の27.44%を追加取得し、同社の持ち分を合計で49.91%保有することになったと発表した。この買収により、次世代モバイルブロードバンドテクノロジーとAIを活用したIoTの略語である「5G + AIoT」におけるXiaomiの競争力が高まると同社は述べている。Zimiにとってこの投資は、現在の困難な状況下で感じている財務面での圧力を多少緩和する可能性がある。

中国のIoT業界における競争は5Gネットワ​​ークの展開をめぐって激化している。5Gネットワ​​ークには幅広い種類のデバイスを接続することができる。多くの分野に手を出すAlibaba(アリババ)は今週、100億元(1500億円)を投じてAlexaのようなスマートボイスアシスタント「Genie」を立ち上げると発表した。これは、Alibabaのeコマースエクスペリエンス、オンラインエンターテイメントサービス、パートナーが提供する消費者向けハードウェアと統合される予定だ。

画像クレジット:Xiaomi via Weibo

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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