iPad Airの製造原価、発売開始時のiPad 3より低いらしい

iPad Airは手元に届いただろうか。発売開始後1週間でどれほどの数を売り上げたのかについての情報はまだ入っていないが(レティナ版iPad miniの販売開始までには発表になることだろう)、かなりの数が売れている様子だ。また、IHS(iSuppli)の行った分解評価(via AllThingsD)が正しいとすれば、製造に関わるコストも、Appleにとっては大いに好ましいものであるようだ。

IHSはAppleの新しいデバイスが出る度に分解を行って、使われているパーツなどを見て、その製造原価を探るということを行っている。今回分解を行ったiPad Airについては、274ドルから361ドルと見積もっている。販売価格を見ると、16GBのWi-Fiのみのモデルががローエンドで499ドル、そして128GB Wi-Fi + LTEモデルがハイエンドで929ドルとなっている(訳注:日本ではApple Storeの販売はWi-Fiモデルのみ。16GBが51800円で128GBが81800円)。

これまでと同様に、ハイエンドモデルの方がAppleのマージンは大きくなっている。販売開始時期の第三世代iPadと比較して、いずれのモデルでも40ドル程度低くなっていることには注目して良いだろう(第四世代機については原価見積もりを行なっていない)。当然ながら、より薄い筐体を実現するために使われている今回のディスプレイ部およびタッチスクリーン部の価格は、これまでよりも遥かに高価になっている。タッチスクリーン部とあわせた厚みは前機種が2.23mmで、今回が1.8mmとなっている。

コスト減は他の部分で実現されている。たとえば、ディスプレイ部に使われるLEDユニット数が84から36へと大幅に減少している。また、旧機種から引き続き利用されているパーツが多いこともコスト減の要因だろう。さらにA7の価格もiPad 3が登場した時期のA5より下がっている。加えてiPadで用いられているセルラアレイは、アメリカ国内のLTE全周波数に対応している。周波数に応じた対応が不要になることで、製造コストも安くなっているわけだ。

これから、製品が大きく動く時期を迎える中、目玉となるiPad Airのマージンが大きなものであることはAppleにとっては非常に良いことだと言える。発売直後の人気がこのまま続くのであれば大きな利益をもたらすことになるだろう。さらに、iPad miniもA7を使っており、他にもiPad Airや旧機種と併用することになるパーツも多いはずだ。こちらもAppleに大きな利益をもたらすことになるのは間違いなかろう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H